1997年10月31日 報知新聞
「もののけ姫」E・T抜き15年ぶり日本新 「アメリカに勝った」
アニメ映画「もののけ姫」(宮崎駿監督、全国東宝系で公開中)の配給収入が30日、96億5000万円を突破。洋画、邦画を通じて国内最高だった「E・T・」(スティーブン・スピルバーグ監督)の96億円を抜き、15年ぶりに記録を更新した。東京・有楽町の映画館で行われた記念会見には英国営放送(BBC)も出席。製作総指揮の徳間書店・徳間康快社長ば「アメリカ映画を完全に負かした」と勝利宣言。春休みまで上映が延長され、来春(予定)の欧米公開も決まった。
真珠湾以来だ
悲願の新記録達成に徳間社長がほえた。配給収入96億5000万円、観客数1200 万人。「アメリカ映画を完全に負かした。真珠湾以来、(米国に)勝ったことがなかったのに」太平洋戦争の引き金となったハワイ真珠湾攻撃を引き合いに出したリップサービス。場内は爆笑。「日本映画がアメリカ映画に勝ったということですか?」と質問したBBC記者も苦笑いだ。
歴代配給収入の記録は「E・T・」(82年)の96億円を筆頭に、「ジュラシック・パーク」(83億円)、「インディペンデンス・デイ」(65億円)と外国勢が上位を独占していた。邦画は4位の「南極物語」(59億5000万円)が最高。打倒「E・T・」は東宝の悲願だった。自然と人間のかかわりを壮大なスケールで描いた「もののけ姫」は7月12日の公開後、6日で100万人を突破。8月下旬には「南極」を抜き、邦画のトップに立った。配給の東宝・石田敏彦社長は会見で「洋画は当たると大きいが、邦画で何とか記録を破ることが念願でした」と、あいさつした。
「ヒットの理由?まだ整理ができていません。ファンの声をうのみにするほど自分は甘くないし」会見では宮崎監督だけが冷静に快挙を受け止めていた。「何が起こったのか分からないが、スタッフのためにもよかった」ある日、長野県にある別荘の山小屋近くを散歩中、農家の夫婦に「『もののけ姫』を見ましたよ」とあいさつされ、「こんな所に住んでいる人まで見ないと1200万人には届かないのか」と驚いたという。
123億も自信
「本当は100億円、1200万人突破では記者会見はやりたくない」徳間社長の自信の裏には1500万人動員、配給収入123億円達成の自信がある。東宝によると「もののけ姫」は現在も全国約190館で異例のロングラン中で、来年春休みまで大都市を中心に上映を続行。ディズニーの配給で「遅くても来夏までには、著名な俳優に声優をやってもらって」(徳間社長)、全米、後にヨーロッパでも公開される予定だ。
副収入も天井知らず
関連連収入もばく大な「もののけ姫」。世界的な力ウンターテナー(裏声を使ってテノールより高い音域を出す男性歌手)、米良美一(めら・よしかず)が歌う同名タイトルの主題歌は、28日現在で41万2000枚のヒット。映画のサントラ盤が合計3枚で50万枚。フィルム・コミック「もののけ姫」の170万部(4冊)を含め、開連書物で15億円の売り上げ。さらに劇場内で発売されるパンフレット、キャラクターグッズだけで7〜8億円。春休みまで公開続行が決まり、副収入も天井知らず。(当該記事より)
1997年10月31日 日刊スポーツ新聞
宮崎アニメ配収日本一 100億円だ おどろき姫
宮崎駿監督(56)のアニメ映画「もののけ姫」(東宝配給)が30日までに観客数1200万人、配給収入96億5000万円の新記録を樹立した。邦画・洋画を通じてこれまで最高だったS・スピルバーグ監督「E・T・」(1982年公開)の配収96億円を抜き、15年ぶりに日本記録を更新した。来年3月までの異例のロングラン公開も決まった。
国民映画になった
自然と人間とのかかわりを壮大なスケールで描いた「もののけ姫」は、7月12 日の公開直後から映画の全盛時を思わせる大ヒットとなり、わずか6日目で100 万人を動員。8月下旬には「南極物語」(83年)の59億円を上回って邦画のトップになった。そして、「E・T・」が3年費やして樹立した日本記録をわずか3 ヶ月で抜き去った。年内の100億円の大台を突破する。
この日、東京・有楽町マリオンで行われた会見には、東宝・石田敏彦社長と制作の徳間書店・徳間康快社長、宮崎駿監督が出席した。石田社長は「何とかE・T・を上回ることを願っていました。これだけの国民映画になってうれしい」とうれしさもひとしお。15年ぶりの快挙に徳間社長の鼻息も荒い。現在の入場者数1200万人を引き合いに出し、「目標は1500万人。来年の3月末には実現するのではないか」と力を込めた。さらに、米映画「E・T・」に勝った実感を英国BBCのリポーターに尋ねられると、「米映画を完全に負かしたと言うこと。野球で言えば10対1。米に勝ったのは真珠湾以来ということです」と脱線発言も飛び出した。
また、宮崎監督は「長くやっているとこういうこともあるんだなということ。何が起こっているか分からないが、スタッフのためにもよかった」と喜びととまどいの表情。ヒットの理由については「まだ整理が出来ていません。」と話した。
来夏欧米で公開
現在、全国190館でロングラン中だが、来年3月まで大都市を中心に上映を続ける。米ディズニーとの提携で来夏までには欧米でも公開も決定しているが、徳間社長は「米国での試写会にはクリントン大統領夫妻も招待したい」とボルテージが上がっていた。
映画評論家・白井佳夫氏の話
「もののけ姫」が日本においてディズニーやスピルバーグを抜いてしまった。これは戦後の大記録ですよ。今までのスタジオ・ジブリの作品と違って、決して分かりやすくない。自然と文明の対立など、いろいろなテーマうあエピソードが複雑に組み合わされている。宮崎氏が自らの本音で現代日本に問いかけたといえる作品ですが、それがバブル崩壊後、八方ふさがりになっている日本人に受けたのではないか。作り物のスペクタクルやおざなりのヒューマニズムに飽きてしまった日本人に、宮崎氏の本音の問いかけた支持されたと思う。(当該記事より)
1997年10月31日 東京中日スポーツ
「もののけ姫」日本新 E・T・抜いた!
『スタッフのためにもよかった』−宮崎監督安どと戸惑い
宮崎駿監督(56)のアニメ「もののけ姫」が、三十日までに観客数千二百万人、配給収入九十六億五千万円を記録。邦画、洋画を通じてこれまでの最高だったスティーブン・スピルバーグ監督(50)の「E・T・」(一九八二年)の配収九十六億円を抜き十五年ぶりに日本新記録を達成した。
自然と人間のかかわりを壮大なスケールで描いた「もののけ姫」は、七月十二日の公開直後から映画の全盛時を思わせる大ヒットとなり、六日目に百万人を突破。八月下旬には「南極物語」(八三年)の五十九億円を上回って邦画のトップになった。
三十日午後、東京・有楽町の映画館で新記録樹立のセレモニーに臨んだ宮崎監督は「何が起こっているのか分からないが、スタッフのためにもよかった」と喜びと戸惑いの表情。ヒットの埋由については「まだ整理ができていません」と話した。配給の東宝によると「もののけ姫」は、現在も全国約百九十館で異例のロングラン中。来春まで大都市を中心に上映を続け、配収百億円を目指すという。製作総指揮の徳間書店・徳間康快社長(七五)は、業務提携するディズニーによる世界配給の交渉が進展中で、来年春かか夏に全米拡大公開することを発表。声優にはハリウッドの著名スターを起用し、ニューヨークかワシントンDCで開催する特別試写会には、クリントン米大統領夫妻を招待することを明らかにした。(当該記事より)
1997年10月31日 サンケイスポーツ
驚異「もののけ姫」1170万人動員 配収96億5000万円 E・T・抜いた
「E・T・」を超えた!宮崎駿監督のアニメ映画「もののけ姫」が観客数1170万人、配給収入96億5000万円を記録したことが30日、配給元の東宝の調べで分かった。邦画、洋画を通じて日本で公開された映画のこれまでの最高記録だった「E・T・」の動員1150万人、配収96億円を更新。15年ぶりに日本新記録を達成した。
「冬の時代」と叫ばれて久しい日本映画界で、空前の快記録が生まれた。東宝の累計によると、29日までの公開110日間に全国上映館の入場人員合計が1170万4225人を記録。「今世紀中は更新不可能」とまでいわれたあの「E・T・」の大記録を抜き去った。同時に配収も96億5000万円を突破し、こちらも新記録を達成した。
30日午後には東京・有楽町の上映館で新記録樹立のセレモニーを開催。宮崎監督は「長くやっていると、こういうこともあるんだなあ。何が起こっているのか実感が沸かないが、とにかくよかった」と笑顔で語り、快挙を祝うくす玉のひもを力いっぱい引いた。
23億円という製作費、13万8000枚ものキメ細かな作画、室町時代を舞台に繰り広げられる自然と人間との戦いと愛を描いた作品。7月12日の公開直後から映画全盛時を思わせる大ヒットとなり、僅か6日目で観客数100万人を突破。8月下旬には「南極物語」の59億5000万円を上回って邦画のトップに立ち、次の目標を「打倒「E・T・」に置いていた。
セレモニーに同席した製作総指揮の徳間書店・徳間康快社長は「『E・T・』は3年がかりの記録だったが、我々は最短距離で達成した。21世紀、22世紀が来ても抜かれることのない大きな数字だろう。日本新記録程度のことでセレモニーを開くなんて、まだ早い。目指すは1500万人動員だ」と胸を張った。
来年3月まで大都市を中心に上映を続け、その後には欧米での公開が予定されている。徳間氏によると、ディズニー社による配給が決定した米国では、ワシントンかニューヨークで開かれる特別試写会にクリントン大統領夫妻の出席が確実となったという。名実ともにアニメの帝王となった宮崎監督は「まだ整理がついていません」と戸惑うほどの急ピッチの大展開。15年ぶりの記録更新で日本映画界の頂点に立った「もののけ姫」は、「日本記録保持作品」という看板を引っ提げて、戦いの舞台を全世界へと移す。(当該記事より)
1997年10月31日 スポーツニッポン
まさに"化けモノ"「もののけ姫」 111日で配収96億5000万円
宮崎駿監督(五六)のアニメ映画「もののけ姫」が、日本の公開映画史上最高の配収記録を打ち立てた。三十日までに配収九十六億五千万円を突破し、スティ−ブン・スピルバーグ監督の「E・T・」(八二年)が持っていた配収九十六億円を破ったもの。宮崎監督は「長くやっていると、こういうこともあるんですね」と感慨深げ。製作総指揮の徳間康快大映社長(七五)も「映画においてアメリカ文化を負かした」と勝利宣言。来年三月の全米公開に向け、クリントン大続領夫妻を招待しての試写会を開く構想もぶち上げた。
まさに空前絶後の「もののけ姫」の大記録。不滅といわれた「E・T・」の記録を、封切りから百十一日というスピードでクリア。興収では百六十億円、観客動員も千二百万人を超え、宮崎監督も「長く(監督を)やっでいると、こういうこともあるんだなあ、に尽きる。近所を散歩してでいる時に、畑で農作業をしでいた夫婦にも見できましたと言われ、こういう方も見ないといかない数字なのかと思った。スタッフのためにも良かっだ」と笑顔。
「狙いは千五百万人突破だから、きょうは会見を開く必要はなかった」という徳間社長も、表情は緩みっ放し。「最初は配収四十億円いけばいいと思ってた」と同社長。「"E・T・"の記録が三年がかりで達成しだことを考えれば、いかに" もののけ姫"の内容が優れているかということ。真珠湾攻撃以来、勝ったことがないアメリカを映画においで負かした」と豪語。七月十二日の初日だけで二百五十万人を動員。八月二十四日には邦画記録だった「南極物語」の配収五十九億円をあっさり更新。パンフレットが二百六十万部、関連出版物が計二百五十万部のベストセラー、サウンドトラックも三種類で計五十万枚と、まさに一大ブーム。配給の東宝は、来年三月までの続映を決め、動員千五百万人を目指す。
「ファンレターで、分からないのでもう一回見に行くという意見が多く、分からないように作るのがいいのかなとも思った」と冗談交じりの宮崎監督。しかし「まだ自分が何を作ったのか、心の総括ができていないが、テーマやメッセージを送るために映画番作っているわけでない。分からなかった小さな子供たちも、時間がたてば伝わるものがあると思う」とひそかな自信をのぞかせだ。来春にはウォルト・ディズ二−によって全来、欧州で公開される予定で、徳間社長は「まだ名前は言えないが、著名な俳優が声優をする」とボルテージは上がる一方。そして「ニューヨークかワシントンで試写会をやって、そこにクリントン大統領夫妻にも出席してもらう」とぶち上げ、会場を沸かせた。(当該記事より)
1997年10月31日 デイリースポーツ
「もののけ姫」日本新
大ヒットを続けている東宝「もののけ姫」が三十日で入場人員千二百万人、配給収入九十六億五千万円を突破し、これまで最高だった「E・T・」の配収九十六億二千万円を抜いて日本新記録を達成したことが三十日、東京・有楽町の朝日スクエアで徳間康快徳間書店社長、石田敏彦東宝社長から発表された。宮崎駿監督は「何を自分が作ったのか総括し終わっていない。『分からないからもう一回見る』という手紙が多いので、映画は分からないように作るのがコツだったのかな」と、いまだ困惑気味だった。
「E・T・」が二年がかりの記録なのに対し、「もののけ姫」は実質三力月でのスピード記録。徳間社長は「これは大変。映画文化においてアメリカ映画を負かした。狙いは一千五百万人突破です」と大怪気炎。監督引退を表明していた宮崎監督も冗談めかしながら、「あと三、四本やろうか」と徳間社長に言ったという。
「もののけ姫」はディズニー系列で来春から来夏にかけての全米公開を予定。クリントン米大統領夫妻も試写に出席するという。(当該記事より)