1998年2月28日 スポーツニッポン
宮崎監督 "引退や〜めた"
アニメーション映画「もののけ姫」で配収百八億円という空前の大ヒットを飛ばした宮崎駿監督(57)が、かねてほのめかしていた「引退」を完全撤回、自作の準備に入っていることが27日、関係者の話で明らかになった。
97年度も毎日映画コンクールで「日本映画賞」を獲得した「もののけ姫」。表彰式で製作総指揮に当たった徳間康快・徳間書店社長(76)も示唆していたが、次作は二十一世紀をテーマに、環境問題や人口爆発などを絡めた作品になるという。(当該記事より)
1998年2月27日 毎日新聞 大阪本社 毎日新聞創刊特集号
21世紀を死なないために 宮崎 駿
21世紀を間近に控え、日本の行き詰まりや破たんが相次いで表面化している。こうした事態は、30年以上も前から予見され、提言も繰り返しなされてきたはずである。しかし、みんなが「なんとかなるだろう」と大量消費生活を楽しんでいるうちに、ニッチもサッチもいかなくなってしまった。
いまや、政治、経済に限らずザ、道徳から農業、生存のための環境ですら展望を見いだせずに、各分野ごとの対症療法に明け暮れている。「このままズルズルと21世紀に入って行くのだろうか」。そんなことを思っていた昨年秋、ある雑誌の対談で景相家の荒川修作さんと出会った。話すうちに、ワクワクしてきた。東京都の臨海副都心の開発コンペに彼が提出した内容を知ったからだが、要するに「文明としての街をつくろう」ということ。ここで、そのプランを短く説明することはむずかしい。ともかく、非常識であり、革命的であり、便利とか、快適とか、生産的価値とかという、今までの考えをすてなければ住めない街なのだ。
愛し、生活し、壊かしさをもてる空間を人工的に産み出そうという、天をおそれぬ挑戦だと思う。しかし、そのくらいのことをやらないと、今日の日本と東アジア全域が行き詰まっている問題への解答にならない。
「いいところ」といわれる場所は若者たちがどんどん出ていってお年寄りばかりになり、若者が集まるところは刺激が多いけれど、とても住めるところではない。若者たちが結婚し、子どもを産み、育て「自分の住んでいる街が一番素晴らしい」と思って死んでいけるようなところをつくれないものだろうか。
その街で今日われわれがぶつかっているあらゆる間題へのできるかぎりの解答が出される。ゴミ、空気、エネルギー、アトピーに精神の病、人間以外の生物との共生のしかた。市民としてのルールづくり。教育、子ども社会の再建。この街の建設は、世界に向けての日本の大胆な提案ともいえる。新しい街から生まれる経験や情報は、日本が直面し、東アジア全域がぶつかっている壁に穴をあけて、これからを考える糸口にもなってくれるはずだ。
もちろん、荒川さん一人で実現できることではない。大デベロッパーやゼネコンに考え方を変えてもらいたいし、あらゆる分野の人がプロジェクトに参加、知恵を出し合わなければならないが、壮大なものにつながっていく可能性を秘めた試みだ、と思う。自分にどういう貢献ができるかわからないけれど、このプロジェクトで自分にできることをカいっぱいやってみたい。子どもたちがこれ以上、自分を傷つけなくてすむ日本に、この島国をできたら、と思っている。
21世紀を死なないために。(当該記事より)記事提供:山まさ氏
1998年2月27日 毎日新聞
宮崎駿監督「引退はしません」 次は病む21世紀テーマに超大作
アニメ映画「もののけ姫」で興行収入約180億円、観客動員数約1300万人という大ヒットを放った宮崎駿監督(57)の次回作は、環境悪化などの進んだ21世紀がテーマになることが27日、分かった。宮崎氏については引退説も取りざだされたが、前作で製作総指揮を務めた徳間康快・徳間書店社長(76)は引退説を否定し、次回作の製作費は「もののけ姫」の約23億5000万円を上回る30億〜50億円の超大作になるとの見通しを明らかにした。
米国の映画会社ディズニー社と協力し、全世界に公開する予定という。【長尾真輔】
宮崎氏は昨年3月、「もののけ姫」の製作発表の席で「これで最後になってもいい」と発言し、"引退宣言"と話題を呼んだ。しかし、徳間社長は「作品作りで疲れたということを言ったまで。これだけファンが支持してくれるし、『やめないで』という手紙も届いている。生涯やりますよ。宮崎さんも『引退はしません』と明言してくれた」と引退説を否定した。
宮崎氏は「もののけ姫」で日本の中世を舞台に森に住む神々と人間との戦いを描いた。次回作は一転して21世紀の末来が舞台となる見込み。徳間社長は「『もののけ姫』では日本を視野に入れたが、今度は環境の悪化、テロリズム、地震、疫病、人口爆発などを抱えた21世紀をテーマにして、世界的な作品にしたい」と話している。
徳間書店は1984年に宮崎氏の監督作品「風の谷のナウシカ」以来、「となりのトトロ」(88年)「紅の豚」(92年)など一連の作品を製作している。「もののけ姫」は配給収入(映画会社の収入)興行収入(入場料の総額)、観客動員数の国内での映画の記録をすべて塗り替えた。昨年8月から10月に香港と台湾で公開された。欧米諸国でも上映が予定されている。(当該記事より)
1998年2月22日 東京スポーツ新聞
第7回 東スポ映画大賞 発表
ビートたけし本紙客員編集長が選ぶ東スポ恒例の第7回東京スポーツ映画大賞が20日、決定した。役所広司、桃井かおり(主演賞)一色の他の映画賞に対して、たけし審査委員長は、主演男優賞は「該当なし」。同女優賞に『2/DUO』の柳愛里(ゆう・えり)を選んだ。また、「助演男?優賞」として『もののけ姫』の声優に挑戦した美輪明宏。新人賞に「ぶん殴りたくなるコギャルを見せた」佐藤仁美など、たけしならではの選考となった。なお授賞式は3月13日、都内のホテルで行われ、本社から豪華トロフィーと賞金が贈られる。
助演男優賞
助演探幽賞なんだけど、オイラとしては『もののけ姫』で「モロの君」(言葉をしゃべる300歳のメスの犬神)の声をやった美輪明宏にあげたいんだよね。あの声がキャラクターに見事に合っててさ、よくやったなって思ったよ。宝塚とも違う言い回しって言うか、発声が舞台ふうって言ったらいいのか、なんかうまく当たったって感じなんだよな。
ただ問題なのは男優なのか女優なのかってことなんだけど「助演ユニセックス賞」とか「助演おかま賞」ってのもちょっと違うしなぁ。ニューハーフじゃなくて「助演オールドハーフ賞」ってのはどう?怒られるか。
よし、今回は間に?と入れた「助演男?優賞」にして美輪さんに決定!これからはこの賞の対象者がジャンジャン出てくるかもしれないしね。
作品賞
作品賞でいうと結局、有力なのは『もののけ姫』とか、そういうのになっちゃうのかな。でも『もののけ』とか『失楽園』は違うでしょ、やっぱり。『失楽園』なんてどうにもなんないものな。
『もののけ姫』ってのはテーマ的になかなか理解できない要素が含まれているものね。でも、宮崎さんが8万枚ものセルを自分で描いたっていうし、一生懸命作ったなコレっていうのがある。『東京夜曲』は淡々と描いていていいんだけど、何かもうひとつしっくりこない。作品賞は(選ぶのに)つまっちゃうんだよね。(ちなみに、昨年9月、ベネチア国際映画祭でグランプリを受賞した北野武監督の『HANA-BI』は、日本公開が今年1月のため、来年の審査対象作品になる。)
『もののけ姫』も今さら東スポ映画大賞で取りあげる必要もないと思うから。じゃ何にするんだっていうとさ、むしろ『ポストマン・ブルース』になっちゃうんだよな。
監督賞を宮崎駿さんにしたらどうかな。それで作品賞を『ポストマン・ブルース』にすればうまく形がつくよね。ということで、監督賞は宮崎駿で、作品賞がサブの『ポストマン・ブルース』で決まりだな。(当該記事より抜粋)記事提供・すうどん氏
第7回東スポ映画大賞 賞 受賞者 対象作品 主演女優賞 柳 愛里 「2/DUO」 主演男優賞 該当なし 助演女優賞 倍賞美津子 「東京夜曲」 助演男?優賞 美輪明宏 「もののけ姫」 新人賞 佐藤仁美 「バウンス ko GALS」 監督賞 宮崎 駿 「もののけ姫」 作品賞 「ポストマン・ブルース」 外国映画賞 「世界中がアイ・ラブ・ユー」 特別賞 水野晴郎 「シベリア超特急」
1998年2月17日 報知新聞
宮崎駿監督 ベルリンでも絶賛
第48回ベルリン映画祭に「もののけ姫」が特別招待され、ドイツ入りしていた宮崎駿監督と 鈴木敏夫プロデューサーが帰国。11日の特別上映では世界30カ国以上から集まった記者から絶賛され、 一日平均10本以上の取材を受けた宮崎監督は「取材の間にかい間見たベルリンの街は東と西が混在していて幻想的でした」。
年内に全欧州での公開もほぼ決定した。 (当該記事より)
1998年2月13日 東京中日スポーツ
「もののけ姫」で脚光カウンターテナー歌手 米良美一がアニメ主題歌
大ヒット映画「もののけ姫」の主題歌で一躍脚光を浴びたカウンターテナー歌手の米良美一(26)が、14日からスタートするテレビ朝日系オムニバスアニメ「アニメ週刊DX!みいファプー」(土曜午後六時半)のオープニングテーマ曲「ウキウキパラダイス」(4月下旬発売)を歌うことになり12日、東京都港区の同局で会見した。
米良は「クラシックでは天使や妖精のイメージをつくっているが、今回は日頃歌っていないポップな局で、自分の地が出てしまうとちゅうちょしたが、いい曲だったのでハマっちゃいました」と笑顔で感想。 本業のコンサートの他、トークやバラエティー番組にも出演するが「バラエティー向きの性格だとは思うが、秘めたものがないと活動に差し障りがあるので、選んで出演していきたい」。
十四日に東京・赤坂のサントリーホールでバレンタインコンサートを行い、五月二十二日には日本の歌謡曲を収録したアルバム「かれん」を発売する。(当該記事より)
1998年2月10日 大阪朝日新聞 夕刊
加藤登紀子の男模様
久石譲さん−美しき旋律長野が育てた
久石さんといえば、ずっとバンダナ姿の印象があった。クラシック的だけれど、ラフでポップなジャンルにいるという彼のスタイルがそこにあったと思う。
去年、「WORKS−1」という、これまでの代表作をロンドンフィルでレコーディングしたアルバムを出した時、バンダナなしの写真で登場し、突然、彼の全体像がすごい存在感で伝わってきた。
「風の谷のナウシカ」以来、宮崎アニメには欠かせない作曲家であり、今や映画音楽の巨匠。日本の古楽器と旋律を盛り込んだ「もののけ姫」の音楽もすばらしかったけれど、映画「HANA−BI」のメーンテーマの美しさには参った。ハードで乾いたトーンの映像の中でのあの曲は直接涙腺(るいせん)を刺激する。
「あのテーマを映画のどの辺で使うか悩んだんですけど、結局、終盤の雪のシーンまで出さずにねばったんですよ」どうりであの雪のシーンで一気におえつがこみ上げて困った。音楽のマジックはすごいなあ。
この三月の長野冬季パラリンピックで総合プロデュースをしている久石さんから、支援アルバムのお誘いがあり、「愛の木」という新しいオリジナル曲で私も参加させてもらった。久石さんの独特の東欧的な重量感とメルヘンのあるアレンジで素晴らしいレコーディングができたと思う。「生まれたのが長野。すごく音楽が盛んでね、五歳のころからバイオリンをやってました。映画も週に三回とか四回とか見てね。そのころから音楽にあこがれてたんですよ」
どこまでも山、深い雪、暖炉にはちろちろと火が燃えている、そんな大きな風土が、彼の音楽のバックグラウンドにあったのだ。美しいものの存在に気づかせてくれる音楽、これからもいいコラボレーションができることを楽しみにしている。(当該記事より)記事提供:出口正樹氏
1998年2月9日 産経新聞
日本アカデミー賞の特別賞
日本アカデミー賞協会は、会長特別賞などを決めた。
主題歌賞=「もののけ姫」の米良美一
会長功労賞=「もののけ姫」総指揮の徳間康快
協会特別賞=「失楽園」「新世紀エヴァンゲリオン劇場版シト新生」などの角川歴彦
特殊映像技術賞=「北京原人Who are you?」の特殊映像技術スタッフ
会長特別賞=勝新太郎、杉村春子、田中友幸、西村晃、三船敏郎、萬屋錦之介
(当該記事より)
1998年2月6日 報知新聞
宮崎駿監督 日本ペンクラブ賞
日本映画史上初めて配収100億円を突破したモンスター映画「もののけ姫」の宮崎駿監督(56)=写真=が、 映画ライター、評論家191人が選ぶ日本ペンクラブ賞を受賞。5日、東京・神保町の岩波シネサロンで贈呈式が行われた。
壇上で「繰り返し見てくれた若い人たちに感謝します」と頭を下げた宮崎監督。9日から16日までは「もののけ姫」が特別招待された世界3大映画祭のひとつベルリン映画祭参加のためドイツ入り。 「ベルリンに行けば、全ヨーロッパの記者が集まって取材が1回で済むというから行くんです。 まあ、ビールでも飲んできますよ」
10日に迫ったアカデミー賞外国語映画部門ノミネートもドイツで聞くことになる。「アカデミーなんて 望外のことで頭がそこまで回りませんよ。早く次の作品に行きたいですね」と引退宣言を完全撤回した同監督は、すでに2001年公開がうわさされる新作に向いていた。 (当該記事より)
1998年2月06日 朝日新聞 夕刊広告
春よ来い! 早く来い! まだまだ行くぞ!もののけ姫。
全く衰えぬ人気。公開30週をクリア、1360万人を突破!
1998年2月4日 産経新聞
邦画大当たり「もののけ姫」史上初の100億円突破
映画雑誌「キネマ旬報」は三日、昨年公開された映画のベスト・テンを発表した。今回で七十一回目になる。主な結果は次の通り。
【日本映画】(1)うなぎ (2)もののけ姫 (3)ラヂオの時間 (4)東京夜曲 (5)鬼火 (6)バウンスkoGALS (7)身も心も (7)誘拐 (9)束京日和 (10)瀬戸内ムーンライト・セレナーデ (10)萌の朱雀
【外国映画】(1)秘密と嘘 (2)太陽の少年 (3)浮き雲 (3)シャイン (5)イングリッシユ・ペイシェント (6)ブエノスアイレス (7)フェイク (8)マーズ・アタック! (9)奇跡の海 (10)世界中がアイ・ラヴ・ユー (10)ラリー・フリント
【読者選出(日本映画)】
(1)もののけ姫 (2)うなぎ (3)ラヂオの時間 (4)東京日和 (5)誘拐 (6)傷だらけの天使 (7)バウンスkoGALS (8)愛する (9)ボストマン・プルース (10)瀬戸内ムーンライト・セレナーデ
【同(外国映画)】
(1)秘密と嘘 (2)シャイン (3)イングリッシユ・ペイシェント (4)コンタクト (5)フェイク (6)ザ・エージェント (7)奇跡の海 (8)八日目 (9)ブエノスアイレス (10)マーズ・アタック
主演女優賞=「東京夜曲」などの桃井かおり 主演男優賞=「うなぎ」などの役所広司 新人女優賞=「バウンスkoGALS」の佐藤仁美 新人男優賞=「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」の烏羽潤
日本映画監督賞賞=「鬼火」などの望月六郎 (当該記事より)