東京都立西高等学校(2) |
稲生 僕は、とりあえず大学に進学して、それから大学でやりたい仕事を見つける。今バンドやっているけど、芸術は趣味の時点が一番楽しいって話を聞いて、やっぱり趣味でとどめておいたほうがいいか迷っている。
長森 俺は大学では、法律やりたいって考えている。将来は裁判官になりたい。
池田 長森君は勉強好きだもんね。
「いい大学入って遊ぶ」
上原 俺は夢がないから、大学行って遊ぶためにそれなりの大学行く。国立の方、一橋大とか東大とか名前があるからそこに入って遊ぶ。
高木 それがいやなんだよね。
池田 ねえ(同意)
上原 何でだよ! 今の大学生が勉強しないで遊んでいるとか言われてますけど、ある意味必然だと思うんだよ。こんなに大学入るのにすっごい頑張って、大学入ってもまだ勉強かよって。
池田 勉強するために行くんじゃないの? したくないなら行かなければいいじゃん。
高木 大きく学ぶと書くでしょう。それなら「大遊」だったらいいじゃん。
上原 俺だって適度のつもりだよ。語弊があったかもしれないけど。がりがり勉強するのがいやなんだよ。
池田 受験勉強は楽しくないの?
上原 楽しくないよ。
池田 あたしの場合めっちゃ楽しいよ。
上原 だって俺はいわゆる受験勉強。大学に入るための勉強って割り切ってるもん。だから勉強自体に意味はない。自分の努力は人格形成に役立つし、その努力が生きていく上で糧になると思う。でも、受験勉強で得る知識なんて微々たるもんだし、そんなもん役に立つとは思ってないよ。
高木 勉強は必要ないって思ってるでしょ。君は。
上原 必要だよ。生きて行く上ではね。だから、俺はちゃんと勉強しているから、ちゃらんぽらんに遊んでいる奴より俺の方が断然輝いているとは思う。
一同 (爆笑)
池田 大地君(高木君)だってやりたいことやってるから輝いているんじゃないの?
上原 俺が思うに、池田や大地みたいにやりたいことある奴はいいと思うんだよ。そういう奴はその道に真っ直ぐすすめばいいと思う。ね、俺の場合ないから。ない奴どうするかって言ったら勉強しかねーじゃねーかっ!
池田 やりたいことなかったら勉強しないでいい気もするけどね。だって、そのままちゃらんぽらんに生きていって別にその人がどうなっても……。
上原 全然駄目! 俺は将来楽しく暮らしたいから、それなりの大学に入らないと楽しくなれねーじゃねーかよ。
池田 そうかい?
上原 そのための努力なんだよ。これは。
「体制を変えたい」
高木 努力するのは、ブランド志向なの?
上原 俺がブランド志向なんじゃねー。周りがブランド志向なんだよ。
池田 それにのってるのブランド志向じゃん。
高木 それにのってるの?
上原 (トーンダウン)のってんだよ。俺はどこの大学出ててるからすごいというように偏らない自信はあるよ。勉強は周りの偏見を満たすものだって割り切ってる。手段なんだよ。それを勉強しないで、勉強クソだとか言うのはなんか負け惜しみみたいでしょ? 東大とか行ってから「勉強クソです」って言ったらカッコいいじゃん。
一同 (爆笑)
上原 あるだろ。毛利。
毛利 あるね。
上原 体制って言うのは、自分が上になって言わないと変わらない。
高木 そういうのはあるかもしれないけど。
池田 勉強ってやっても意味ないじゃんって言うのために、。勉強してるわけ?
上原 それもある。偏見を持たせたくないんだよ。
庵野 いやー、漫才みたいで面白かった。僕が口をはさむ余地なかったです。
(毎日中学生新聞6月18日号より転載)