東京都立西高等学校(5) |
池田 壊れる前に「ため」を作らないとね。
庵野 壊れた後がいいんですよ。そっから人生変わりますよ。あなたのはぜったい一度壊れるから。それが何年先か分からないけど。
池田 自分では高1の時に壊れたつもりなんですよ。
長森 それはまた別の壊れ方でしょう。
庵野 壊れた後がいいんですよ。
高木 うんその後。
長森 その後どう転ぶかが。
庵野 その時、死にさえしなきゃ大丈夫。
池田 大丈夫ですよ。殺しても死なない奴って言われます。
庵野 女の子でも何人かいるんですけど、そういう人に限って、私は絶対大丈夫ですからって言う人に限ってね……。
池田 紆余曲折経て、何回も死のうと思ったんだけど、生きながらえてるんだから、死ぬわけねーよって感じなんです。何回も本当に死のうって思ったんだけど、生きながらえてるんだから。
長森 耳元で「パーン!!」って言ったらはじけてたりして。
池田 これまでに死のうって思ったこといっぱいあったいけど、生きながらえてるから、それ以上つらいのあんまりないって感じなの。
長森 それはないな。
池田 悪い方向へ行くこともあるってわけ?
長森 たかが17年しか生きてないんだぞ。
池田 私が真っ直ぐすぎるって言われてますけど、稲生君とかって真っ直ぐじゃないですか。
稲生 ダラダラだよ。
池田 うっそー! でも、大地君、ある意味爆走するじゃん。
毛利 あるね。エンジンブロウしてるよね。たまに。
−−どういう大人になりたいですか
庵野 大人の定義も分からない。何をもって大人っていうか
池田 間抜けなことを一生懸命やる大人になりたいです。元米米CLUBの石井竜也みたいな人になりたいです。
高木 僕はロックバンド「人間椅子」を越せたらなって思います。
上原 庵野監督は今の仕事していて楽しいですか。
庵野 楽しいよ。
高木 趣味みたいに感じるんですか。
庵野 趣味の延長みたいなもんですね。
上原 だからそういう意味で成功できればいいよね。一番。
長森 俺も芝居で生きていけたらいいよね。
池田 だから私、絵で食ってくためにがんばっているんだよ。
「いい年の取り方したい」
毛利 大地は?
池田 高木君はずっとこのままっぽいよね。
高木 よくそう言われる。
池田 変化も進歩もナシみたいな。
高木 ずっと浪人っぽいよね。
稲生 いい年の取り方をしたい。
毛利 いい年の取り方したい大人ってどういうのだよ。
池田 間抜けなことを一生懸命やる大人。くだらないこととかも、一般的な言い方をすると子供の心を忘れないっていう大人、みたいな感じかな。
高木 俺はこのままずっと行きたいって思っている。
上原 でも、人間変わるもんよ。
池田 でも“このまま”って、すごく良いことだと思わない? 今の自分気に入っているってことじゃん。
上原 今の俺、めちゃくちゃに気に入ってる。
高木 このままで行きたい、変えたい?
上原 意識的に考えたことはないけど……。
池田 末広がりに、どんどん良く変わって行きたい。
上原 俺は今の気持ち忘れたくはないね。
池田 絶対あなた(高木君)はホームレスになるよ。
庵野 ホームレスもオッケーだと思いますよ。
池田 それでオッケーじゃないんですよ。「俺は本当はこうなるはずだった」って言って朽ち果てて行くんだよ。
庵野 それで一生が終わればいいんですよ。
(西高校編終わり、次回からは神奈川県立生田高校編がスタートします。お楽しみに!)
(毎日中学生新聞7月9日号より転載)