東横学園高等学校(1)


 今回は、東京都世田谷区にある女子校、東横学園を訪ねました。閑静な住宅街にある中高一貫校で、おっとりとした雰囲気の学校です。女子校2回目ということで、庵野監督はうれしそう。まず高校3年生の2人が中心となって、先生の自慢をしてくれました。こんなに先生が生徒に好かれ、尊敬されている学校は初めて、と監督も編集部員もびっくり。

笠木 うちの学校は先生と仲いいよね。なんでも、相談にのってもらえるし、電話でやりとりしても、全然恥ずかしくないでしょ。

柏原 うん。でもやっぱ、ひいきとかある。

庵野 それはやっぱり、男の先生なの。

柏原 男です。

一同 アハハ。

柏原 でも、超いい先生多いよね。

笠木 うん。同じような立場になって考えてくれて。私たちなんて、先生から見たら子供なのに、心配で家に電話かけてきてくれたりとか。すごく、いい先生はいいよね。

三井 私はソフト部なんですけど、顧問の先生は熱心に指導してくれます。

米山 試合の時とか、すごいやさしいんです。負けているときの、勇気づけてくれる言葉が泣けてくるんですよ。「おまえはできるから」とかいって。

柏木 えー、そんなこというの、かっこいいーッ。

庵野 アハハ。

「いじめがないのも自慢」

−−学校の自慢は「先生」なんですね。

笠木 先生と、友達みたいに仲がいいことだよね。あと、いじめがないこと。本当にないよね。

一同 うん。

笠木 だから、自殺のニュースとか聞くとびっくりする。

柏原 えー、何考えているんだろう、って思うよね。

笠木 どうして死んじゃうのか、理解できない。

−−不登校とか、学校に来なくなる人はいないの。

柏原 いるかもしれないけど、1人か2人。

笠木 でも、体のことで休んでるんだよね。

−−人気のある先生ってどういう先生ですか。

笠木 日本史の先生なんですけれど、小林先生。教え方、超うまい。物語にしてくれるよね。「ここマーク」って、重要なところ、マークしてくれるんです。

柏原 そう、すごく人気がある。授業始まる前に、オープニングセレモニーで、小林先生を迎えるんですよ。授業が2時間だったら、へたすると1時間やっているよね。クラスの子も、乗っているんですよ。

笠木 すごいよね、アーチ作ったりして。前の日、寝ないでセレモニーを考えるんだよね。

柏原 それで、クラスが仲良くなったんだよね。  

−−女子校だと、男の先生に恋しちゃうという人はいませんか。

柏原 え、私、小林先生好きですよ。ラブじゃないけど。

笠木 でも、ちょー愛しちゃっている子いるんですよ。

一同 いるいる。ラブラブになっちゃう子。

「バレンタインがすごい」

柏原 バレンタインのときなんて、すごいよね。

米山 うちの学年もすごい。

笠木 仁瓶先生っていう、すごくかっこいい先生がいるんですけど、雑誌で1位になったんですよ。

庵野 雑誌?

柏原 先生を好きな子が、雑誌に写真送っちゃったんですよ。そしたら、東京のかっこいい先生、ナンバー1になってたんですよ。まじ、本当にかっこいいんですよ。夜のホストクラブに、いそうなんですよ。

笠木 ほんと、かっこいいんですよ。しゃべりかたとかも紳士で、36歳には見えないし、20歳台後半っていうかんじで。目の下にくまができるほど、仕事しているんだよね。それでもかっこいい。

一同 アハハ。

柏原 でも、本当にいい先生だと、勉強も頑張るよね。

笠木 悪い点をとると、悪いって思うしね。私、小林先生の日本史98点でした。

柏原 私、90点。負けたな。でも、先生に頑張れって言われて頑張りました。

−−好きな先生との間を中学生や後輩にひやかされたりはしないですか。

柏原 ある先生と、噂されたことあったんですけど、その先生がくると、「先輩、ダーリンが来ました」なんて言うんだもん。サイアク。すぐ誤解するんだもん、あいつら。

笠木 中学生は、そういうの見て、楽しんでいるんだよね。

−−「GTO」のなんでも頑張っちゃう「鬼塚先生」みたいな先生が多いんだ。

柏原 まあ、あそこまで「はちゃめちゃ」じゃないけど、でも、みんな「先生」っていう職業に命かけてるよね。生徒のことしか見えていない。

笠木 悩んでいるよね。

柏原 でも生徒は分かってないよね。

笠木 分かっている人と分かっていない人がいる。

−−いろいろな先生の名前が出て来たけど、本当に好きなのはどの先生?

笠木 私、担任の先生。ラブとかじゃなくて、本当、尊敬しています。家の相談とかも乗ってくれるし。

柏原 私は、小林先生。半分ラブだな。

庵野 今まで、ここまで、先生をべたぼめする生徒もいなかったよね。いままでで、一番生徒の評判がいい学校だよ。

(毎日中学生新聞9月24日号より転載)


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