東横学園高等学校(6)


 将来やりたいことがあって、頑張っている−−。それって、すごく素敵なことだと思う。でも、一生懸命努力したり、失敗して泣いているところを、友達には見せられない人がいます。そういう人はだいたい、「私は強いから泣いちゃいけない」なんて、勝手に自分のイメージを作っちゃっている人。みんなの周りにもそういう人、いませんか。庵野監督は「まず自分で作ったイメージを捨ててみては……」と、みんなにアドバイスしています。

「夢はディズニーランド」

−−踊りの大学に行って、踊りをずっと続けていきたいという柏原さんが「うらやましい」という人もいますが。

柏原 でも、私の場合、目標ができすぎてるから、夢がかなわなかった時、怖いよね。とりあえず、バトン部大きくして、ディズニーランドで踊るのが夢だから……。

庵野 ディズニーランドの試験ってあれ、けっこう難しいんでしょ。

柏原 そうなんですよ。私、何度も受けて落ちているんですよ。まず年齢制限があるんですよ。あと、審査員が外国人なんですよ。だから、スマイルが大事だし。

庵野 プロのダンスで食っていけるなんて、あれくらいしかないからね。

柏原 ディズニーランドか、あとインストラクターくらい。

庵野 いや、本当に自分で踊って、それを商売にできるなんて、あそこくらいしかないからね。

笠木 でも、ディズニーランドで踊るなんて楽しそうだよね。

庵野 やあ、でも毎日同じことやっているわけだからね。

柏原 やあ、それでも楽しいと思う。だってあの衣装、すごいじゃん。いっぱい光っているの。

庵野 ミッキーマウスのとか被ってね。

一同 アハハ。

柏原 でも、私、ミッキーマウスにはなれないの。背が高いからプルートかグーフィーなの。

庵野 ああ、犬とか長いやつじゃないとね。

柏原 そう。

笠木 本当は、シンデレラがいいんでしょ。

柏原 そうなんだけど、あれ、外国人じゃないとだめなんでしょ。

庵野 ディズニーランドは、審査基準うるさいんですよ。どこに行っても、なんでもできるようじゃないと……。

柏原 行きたいと思っている大学に、ディズニーランドのオーディションを受けられるコースがあるんですよ。行きたい大学のことは、全部調べつくしているんだから。私、好きなことはやるけど、嫌いなことには、手をつけないんですよ。嫌いなことっていうのは、数学と化学なんですけど……。

庵野 数学と化学は社会に出て、役に立たないからね。

柏原 化学でも、イオンとか、計算ができたらいいんだろうけど。

庵野 いや、それも今は計算機があるから大丈夫。

笠木 数学は答えが出ていいなって思っているんですけど。

庵野 英語と数学は積み重ねだからね。

「英語勉強しておけば…」

柏原 ねえ、三井さん英語しゃべれるんでしょ。もう、教えてよ。This is a penから。もう本当に、英語は中学1年からやっておけばよかったって思う。

庵野 ああ、本当にそうだね。英語はやっておけばよかったって思う。本当に思うっスよー。

柏原 私も思う。今、本当、ギリギリだから。

一同 アハハ。

庵野 英語はね、社会に出て役に立つからね。ほかの言葉も覚えておいた方がいいですよ。韓国語とか、中国語とか。言語はできるだけ、覚えておいた方がいいよ。

−−将来、自分の進路が決まっている人はほかにいますか。

 私は音楽の方に行きたいんですよ。ピアノとか、12年くらいやってきたから。

庵野 ピアノうまいんだ。

 いやあ。

笠木 12年もやってきているなんて、才能だと思う。

柏原 私、ピアノは6年くらいやっていて、バイエルしか終わらなかったんですよ。いや、マジメにやっていたんですけど、ピアノは才能だと思う。

 っていうより、楽しいです。

柏原 そりゃあ、うまけりゃ、楽しいよ。なんでもそうじゃない。自分の得意なのは、やっててね。

一同 やっぱりね。自信があるとね。

 自信はないです。自分より上手な人が多いから。でも続けていきたいと思うんです。自分の実力はそんなにないと思う。

柏原 オトナー。そうだよね。自分よりも上が、いっぱいいるんだもんね。もう、そんなこと考えてもいなかったー。

庵野 アハハハハ。

笠木 でもね、そこが彩(柏原さん)のいいところだと思う。自信があるからさ、ちょっとでも、崩れたところなんて人に見せられないんだよね。意地でもね。陰で、踊りの練習したりね。

庵野 パブリックイメージをかなぐり捨てたところから、スタートするのがいいですよ。

一同 パブリックイメージ?

庵野 そう。「私はこういうキャラクターだから」って、決めつけたイメージ。

柏原 でも、やっぱり「私だからここで泣いちゃヤバイ」っていうのはある。自分のキャラクターっていうのがあるよね。なんか、やっぱり、先生だって生徒をそういう目で見ていると思う。私になら言っても大丈夫なキツイことも、傷つくような優しい子には、言わないもんね。私は辛くても、泣いたことないし。家で、超練習しているもん。家を改造して。バーとか付けて、自分で改造してね……。

(毎日中学生新聞10月29日号より転載)


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