富士見高等学校(3) |
−− 先生がバリバリやっているって感じに憧れますか?
武藤 やっぱり仕事バリバリやりたいな、っていう子が多いですよ。結婚したくない、仕事をして子どもはいらないっていう考えの子が。
柴崎 私は結婚はしたい。
武藤 結婚はしても仕事は辞めないってことだよね。それで相手とフィフティフィフティの関係にしたい。
柴崎 結婚するのは年取ってからでいいと思う。
庵野 30歳過ぎてから。
柴崎 うん。
高橋 それみんな言ってるよね。
「音楽だって理数必要」
−− 将来なりたいものは?
菅沼 音楽関係の仕事に就きたいかな。
高橋 理数なのに?
菅沼 その仕事に就くために理数やっている。結局音楽でも、コンピューター系でインターネットとか総合性を考えていかないといけないなって思って、理数に来たんですよ 。
庵野 音楽って言うのは?
菅沼 シンセサイザーの方に行こうと思っているんですけど、ギターを始めようかどうしようかって状態です。
庵野 ギターはいいですよ。アコースティックいいですよ。今はギターはシンセでも取れるけど。
菅沼 でもまだ弦で弾くのじゃ、ちょっとした歪みの感じが違うらしいですよ。
庵野 全然違いますよ。
菅沼 でもいいかなって。
武藤 私は、動物保護の仕事がしたい。動物観察していたいんですよね。生態系とか。動物見てると安らぐんで。
庵野 人間より動物のほう?
武藤 そうですね。
一同 (笑)
柴崎 私、やっぱり人間好きだなって思う。人としゃべらないとチョー暗くなっちゃって。
高橋 自分になついてくる動物とかでもいいの?
武藤 見てるの楽しいから。
高橋 見た目も? 何でもいいの?
武藤 何でもいい。動物なら。
高橋 魚とかも?
武藤 魚はさすがに。温かみを感じるものがいい。
一同 (笑い)
庵野 ほ乳類とかは?
武藤 いいですね。
−− 人間が嫌い?
武藤 んー、人間は怖いな。何考えているか分からないって言うか。
庵野 動物の方が何考えているのか分からないでしょ。
武藤 だから動物の心理を考えたいんで、特殊な大学に行くと思うんですけど。
−− どこ?
武藤 麻布大の獣医学科なんですけど。
−− それに向かって頑張っている?
武藤 うん。
庵野 獣医の方って、なんかこう……
武藤 けっこう動物をいじめるんですよね。
庵野 そうそうそう。あれはすごい矛盾をはらんでいるんですよ。
武藤 そうなんですよ。それはすごいノデ、私も泣いた事もある。わざと骨を折ったりするんですよね。
庵野 知り合いの人にね、やっぱ耐え切れなくてやめちゃった人がいる。
武藤 そう。結局、獣医じゃないんですよ。治そうと思ってやるんじゃなくて、行動を調べて、それにいい環境を与えてあげるっていうことなんですよ。
「好きだから就かない」
柴崎 好きだから就かない職業ってあるよね。就かない方がいい職業もあるよね。小学校の先生とかもそうだもん。子どもが大好きだから、純粋すぎる人は就かない方がいいって言う。
高橋 「教師になりたい」って言ってる人もある種の夢を見てるよね。なんでこんなに先生を批判してるのに、自分は素晴らしい教師になれると思うんだろ。
武藤 絶対、保母さんとか絶対やりたくない。子どもって言うのは残酷だと思う。
柴崎 でもね、何か、あきらめないでやっていると絶対に心を開いてくれる時があるから。私のお母さんは小学校の先生で、最初、生徒と仲良くいかなかったんだけど、今じゃ電話とか、かかってくる。
武藤 そういうのも分かるんだけど、やっぱり全員に好かれているわけじゃないよね。夢見てるよね。
柴崎 でもやってみないで、分からないと思うけど。
武藤 そりゃそうだけど。
(毎日中学生新聞8月27日号より転載)