明治大学付属中野八王子中学校・高等学校(2)


 第1回の訪問校は、明治大学付属中野八王子中学校・高等学校(片桐誠一郎学校長)です。

「付属生は心にゆとり」

−−中学からいる人と高校からいる人で違いはありますか。

川上 (高校から入ってくる人は)受験を乗り越えてきているから、一カ月くらいであとは一緒。

竹迫 付属中からくると友達のつながりもあって、その分、心にゆとりがある。

曽根 付属生から見ると、途中から入ってくると、受験して入ってきたわけだから、やっぱり、私たちはそれなりに勉強してくれば、高校にそのままあがれるっていうふうに考えていたから、やっぱり最初から高校を目指して来た人のほうが勉強量が違う。

野口 その反面、受験が終わって気が抜けて、勉強をしなくなって、成績が落ちる人とかもいて、勉強を継続するか、もうほうけているかどっちか。すごく差がつく。

−−どうして公立中に進まなかった?

滝澤 小六の時に友達が、地元の中学は悪いから、私立に行くって、それにつられて。結局、その友達は受験しなかったんですけど、僕はとりあえずそのまま続けて受験してここに来て。

  僕の場合は、明大八王子に行けば、明治まで行けるって入ったから。

市川 うちと同じですね。塾の人がそのままやっていれば入れますよ、っていうから。結果的には入れたけど。実際入ってみると(テストで)それなりの点とってないといけない。

川上 姉が受験してつられてって面もあるけど、やっぱり親の意見が一番強くて、大学いいところに入ったほうがのびのびできるとか。私立行ったほうがおもしろいよっていうような感じの話をたくさん聞かされてきたんですよ。

「敬語使わない子多い」

−−学校の雰囲気は?

川上 毎年毎年(入ってくる生徒が)どんどん変化してきていますね。私たちの頃っていうのは、先輩後輩の関係が本当に厳しくて。敬語使わないと絶対にいけない。敬語使わなかったら先輩たちの中で言われて、本当に怖くて怖くて。そういうのもけっこうあったんですよ。でも今はもう、全然先輩に対して、本当に仲が良くて敬語を使わないのは別として、全然見知らぬ子でも、いきなり敬語使わないで接して来る子とか。先生にも敬語を使わない子とかもすごく増えてきて。

庵野 ここに限ったことなのかな。それとも全国レベルのことなのかな。

川上 そういう時代だよね

知識 私はガラの悪い中学校に通っていたんですよ。この学校に来てからすごくカルチャーショックだった。全員髪の毛が真っ黒で、スカートの長さもみんな長くて、で、髪の毛もちゃんと結んでいて、学校の雰囲気とかも全然違ってすごいびっくりしたんですよ。うちの中学は上下関係がすごく厳しくて、何をするにも先輩、後輩っていうのが強かったんで。この学校の先輩は別にそんな厳しくなくて、全然、私、敬語使ってましたか? っていうような程度だったんで。この学校はいい人ばっかりなんだなって思う。

曽根 私たちが中学1年のときの、高校1年は全然雰囲気とかが違う。

庵野 僕が知ってる高校生は20年前だからね。

−−学校生活の不満は。

川上 もう少し自由にやらせてほしい。

竹迫 先生たちは、ここは明治の付属だから、明治(大学の推薦)がかかっているっていうことで(生徒に)細々と厳しく言いますね。

川上 先生は生徒にはとにかく勉強しろ、勉強しろって。

野口 結局、なんだかんだいって勉強なんだよね。

曽根 私生活もそう。

川上 本当に勉強だけ。成績しか見ないんですよ。

庵野 勉強なのね。

川上 勉強、勉強って詰められるのが。もっと伸び伸びやりたいですよ。せっかくの高校生活なんだから。だって部活なんかやるのも、やっぱり遊ぶのって今じゃないですか。社会人になっちゃうとそんなこともできないし、友達作るのも今だし。大切な時期だと思うし、やりたいことも今だからできるっていうことはいっぱいあると思う。

「看板しょって歩いてる」

野口 でもそれは学歴社会だからどうしようもないみたいなところがある。

川上 成績だけじゃなくて、もっと人質とか、そっちの方を、人間性を重視してほしいです。大学でも学校でも。

市川 でもうちの学校は他の学校に比べたら人間性はみている方だと思いますよ。

曽根 でもいっつも何でも明治が出てくる。夏休みとかも明治の看板をいっつもしょっているわけだから、いつもちゃんとしてって。

野口 制服を着てなくても、その心は持ってなさいっていう。

庵野 まだ生き残っているんですね。

野口 一人で周りの人が判断されるから、一人ひとりがちゃんとしないと。

川上 終了式とかでも、校長先生の話の時に、一人で学校全体が見られるからって。

庵野 学校は体面が必要なんですよ。

(毎日中学生新聞4月2日号より転載)


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