東京都立西高等学校(3)


受験・進学について2回にわたって話合ってきました。そして受験勉強や学校の勉強 をどう考えているのか、勉強って何なのかといった話に展開していきました。

「勉強に疑問感じる」

高木 うちの学校は進学校だから、先生たちは全員が進学するって思ってる。

池田 そうだよね。みんなが大学行くって思ってるでしょ。いやじゃない? 専門学校に行きたい人だっているだろうし。

長森 でもみんな、西高はそういう学校だって思って入ってきてるんじゃないの?  学校の方針に従いますよって。

稲生 でもうちの学校は、大学受験のための勉強はやってない。

毛利 何のために勉強してるのかしら?

上原 うちの学校では、学校の勉強だけやってたら、大学行けるってことは絶対ない。無理。大学へ行こうという奴はみんな塾行ってるもん。

池田 2年の時は私、反発してたよ。(私は芸術系なのに)なんで数学やってるんだよって思った。

川上 私は授業通りの勉強をしていいる。

高木 何も疑問を持たないで? 疑問なくそれをすんなり受けるって言うのはやっぱ 、やばいと思う。

上原 俺もそれは思う。

高木 常に疑いの目を持ってやらないと。

上原 おれね、東大とか行く人はね、何の疑問もなく勉強してる人が行くんだと思う んだよ。これっていったい意味あるのって思った人はいけないんじゃないかって。

池田 でも、上原君は行こうと思ってるんでしょ。

上原 でも、疑問持ってるよ。

池田 中学の時は、勉強はするもんだって思ってて、それで、さーって疑問を感じ ずにやってたよね。

毛利 飯食うみたいにやってたよな。

池田 塾とかも、行かないとか、さぼるとかいうことは頭になかったからね。

高木 何に対してもだけど、疑問持ってやらないといけないと思わない?

長森 でも疑問持ったまま立ち止まったらいけないと思うよ。

高木 いや、立ち止まらないといけないと思うんだよ。考えて。

長森 考えるのは必要だけど、そこでなんか立ち往生しちゃうのもなんか違うと思う けどね。勉強が必要なのかどうかって悩んで、学校やめたりっていうのは……。

高木 でも考えることは必要だと思う。それでさ、そこで離れたら離れたでその人の 人生だから。

長森 考えるのはいいんだけど、悩むのは、駄目だと思う。

上原 悩むのも必要だろう。

長森 悩むっていうかうじうじ悩むっていうか、前向きにじゃなくてさ。

池田 こもるみたいな感じ?

庵野 モラトリアム?

池田 多少こもってもいい気するけどな。多少こもらないといいものはできないよ

うな気がするよ。

高木 こもることも必要だと思うよ。

上原 モラトリアムは自由だよ。

毛利 学校自体モラトリアムみたいなもんだよ。

早く大人になりたい?

上原 でもみんな、大人になりたくないんだよ。みたいなところあるよな。

池田 私は早く大人になりたいよ。

高木 俺も早く大人になりたい。

上原 俺はなりたくない。

高木 今はこれで楽しいけど、大人の社会って未知の世界だから早く行ってみたい、 見てみたい。

池田 可能性は無限なんだよ。自分が早く大人になったらすごい世界が広がってるかもしれないんだよ。世界を手にしてるかもしれないんだよ、もしかしたら。めっちゃそういうところに早く行きたい。

毛利 なりたくなくてもさ、いつかなるんだからさ。高校生なんかなりたくなかったけど、もう大学受験だよ。おい。

上原 気が付いたら、早いよな。

池田 我に帰ってびっくりするときあるよね。3年だよ。でも私はダッシュでがんばってるからいいの。止まっちゃいけないんだよ。

高木 そうかな。

池田 ダッシュしつつ悩むんだよ。分かってる?このへん。

(毎日中学生新聞6月25日号より転載)


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