東京都立戸山高等学校(2)


 前回、戸山高校では生徒会の執行委員やホームルーム議長になりたがらない、組織に興味がない生徒が多いという話が出ました。今回は組織をまとめる人の話になりました。

−−生徒が独自に卒業式、入学式を企画した埼玉県の所沢高校では、生徒がまとまっていたと思うんですけど……。

宮崎 今の戸山だったらできない。

石井 所沢高校みたいになったらいやだ。

新垣 所沢高校を見て思ったのは、戸山はリーダーっていうか、リーダーシップを取る人がいない。カリスマ持っている人はいるんだろうけど、その人がリーダーシップを取るわけじゃない。カリスマ性のない人がリーダーシップ取ろうとして、それでみんながついて行かない。みんがが自分が好きなようにっていう感じがする。

石井 って言うかね、カリスマ持っている人が、違う方向へ行っているんだよね。

新垣 そういう力を学校のことで出してくれれば……。

−−カリスマ性のある人とはどういう人なんでしょうか。

新垣 その人が「みんなやるぞ」って言ったら、みんながガァーってついていけるような人。

石井 そうそうそう。求心力がある感じの人。

−−ありそうな人はどういう活動をやっていっるんですか。

石井 部活とか……。

新垣 部活でけっこう熱心にやってる。

石井 そういう人が執行委員会にいればいいのにね。

新垣 執行委員っていうと、やっぱり毎日集まって忙しいってイメージあるから……


石井
 そう。

新垣 そんな面倒臭いことやってられないから……。やっぱ、面倒くさがりやが多いんだよね。

−−そういう人がいないとまとまらないんですか。

末宗 2、3年前すごい悪い先生がいて、みんなで署名集めてやめさせたっていうのあったよね。伝説になってる。

新垣 クラスだろうがなんだろうが、みんな悪いことに対しては、まとまって攻撃しかけるんだけど、でも、みんなの心を一つにするって、だれがやるかっていうのが勝負。そういうとこでみんな、面倒臭いっていうのが出て、本当にリーダーシップを取ってまとめていける人って少ない。日本の国会とかにしても少ないし。

「ついていく仲間も必要」

石井 リーダーシップ取ったとして、一人が騒いでもどうしようもない。

新垣 リーダーがいても、それについていく仲間がいないと。

石井 一人じゃできない。

新垣 一人ひとり、どんどん輪を広げていくっていうのがね。

石井 それは必要だね。

庵野 話聞いてて面白い。これは面白いよ。(前回の明大中野八王子高校とは)全然学校が違うよね。同じ高校とは思えない。要するに指導者が欲しいんですかね。

「個性が爆発してる」

新垣 今、みんな欲しいと思ってる。でも、あまりにも個性が爆発している。

石井 逆に個性が強い人が多すぎてまとまらない、っていうのがあるかも知れない。

新垣 (この座談会に出席している)メンバー見ててもキャラクター濃いよね。

石井 これが普通じゃん?

新垣 これが当たり前だよね。

吉岡 これが普通だよね。キャラクター的に濃いから。

新垣 それはそれで面白い。それをうまくどう作るかっていうのが問題なんだよ。

(毎日中学生新聞5月14日号より転載)


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