東横学園高等学校(5) |
−−友達をすごいと思う瞬間ってどういう時ですか?
笠木 友達と電話でしゃべっていても、たまに鳥肌立つようなことあるんですよ。習いごととか、「15年間バレエやっていて、1度も休んだことない」なんて言うんですよ。いやあ、本当にこういう子っているんだなって思った。
柏原 私のこと言っているの。
笠木 ああ、ごめんね。私が言うことじゃないんだけど。
庵野 え、15年間、バレエのお稽古、一度も休んだことないの?
柏原 うん、自分から休んだことはない。でも、好きだとできるよ。部活とか、みんながやっていることと、同じことをやっているだけだから。
一同 へえー。
米山 私なんか、「あとでちゃんとやっておけばよかった」と後悔しそうですよ。
「踊りで毎日充実してる」
笠木 彩(柏原さん)には、踊りっていう好きなものがあって、毎日充実しているでしょ。
柏原 うん、充実はしている。24時間じゃ足りないな、と思うもん。踊りだけじゃなくて、夜とかいろいろ考えてるんですよ。バトン部の後輩でも、褒めると伸びる子もいるし、叱ると伸びる子もいるし。そういうことを考えて教えなきゃいけないなっ、て考えるんですよ。
庵野 すごいね。
柏原 ってゆうか、ちゃんと頑張っているっていう気持ちは同じなのに、後輩は「中学生」ということで先生に認めてもらえない部分があるんですよ。そういうのとか、もったいないと思うんですよ。やっぱ、悩むよね。部活のことだと。こういう気持ち、後輩が分かってくれたらうれしいよね。私、将来、部活大きくしたいんですよ。でも、その前に、大学受かんなきゃいけないんだよね。
「あなたの夢は何ですか」
−−浪人しても大学に行くつもり?
柏原 浪人はしません。先生がいろいろな大学薦めるんですよ。でも、大学にこだわっていないんですよ。専門学校行っても踊りをやります。4年制大学行ったって、適当に遊んでいるんだったら、踊りやっていたほうがいい。何のために大学行っているのか、そういう考えが、今の人には欠けていると思います。
笠木 何やっているの、っていう感じだよね。
柏原 うち(東横学園)に短大があるんですけど、たまに、歩いている短大生がケバくって……。
米山 そう、うちの学校の評判が落ちちゃう。
柏原 そういう感じの大学生に、「あなたの夢は何ですか」って聞いてみたい。遊ぶって決めている人はそれでもいいと思います。4年間はやりたいことをやるのがいい。友達とか、将来見つかっていない人が多いけど、大学にこだわる必要ないよね。べつに、いい大学に行ったからといって、いい人なわけないじゃん。学校行っていなくても、やりたいことやっているほうが生き生きしていいと思う。
「官僚以外なら大丈夫」
庵野 まあ、学歴偏重は崩れているからね。一応、残ってはいるけどね。昔ほどではないと思う。今おれがやっていることと、大学でやったことは全然関係ないからね。とりあえず、官僚以外は大丈夫だと思う。
柏原 官僚には、−−ならない。
一同 アハハハ。なれないからね。なれない、なれない。
庵野 官僚はね、東大に行かないとなれないからね。東大に行って、官僚になるのが中学からの目的だったりするからね。
柏原 東大を昔から目指していて、「それが目標だ」って言う人はそれでいいと思うけど。でも、高3になって、名前だけで「東大に行く」なんてね。でも、私みたいに、高3で部活に行っていると、周りの人が心配して「どこの大学行くの」っていろいろ聞くんだよね。だけど、自分がやりたいようにやっているんだから周りがとやかく言うことじゃないと思う。みんな考え方が固定しちゃっているからね。
庵野 先生は「受験勉強しなさい」って言わないの?
笠木 いや、それはない。
柏原 勉強が必要な人には、勉強を勧めているし、私みたいに受験に踊りが必要な人には、踊りの講習会受けなさいって、いっぱい資料くれたり……。
庵野 生徒に合わせて応援してくれるんだ。
笠木 そう、部活だって、「やれるんだったら、やりなさい」って言ってくれる。とにかく、そういう風に、私のことを見ていてくれるのがうれしいんですよ。こんなに、先生は私のこと見ていてくれたんだって。
柏原 今度、部活の合宿行くのって、高3では私1人なんですよ。後輩と話合うんだよね。精神年齢同じなのかな。
笠木 でも、いいよね。うらやましい。やりたいことが決まっていて。私なんか 決まっていないから……。
(毎日中学生新聞10月22日号より転載)