大塚康生
「MILITARY 4×4 GRAFFITI」
好評発売中
定価9800円(税別)

大塚康生先生のジープCD-ROM画集「OHTSUKA YASUO MILITARY 4×4 GRAFFITI」が6月19日、いよいよ発売となりました。お買い上げいただきましたお客様には感謝、感謝。というわけで、発売記念としてCD-ROM画集打ち上げ会直前の大塚先生と貞本先生の雑談をレポート。日本屈指の軍用車輌研究家であり、また「ルパン三世」「未来少年コナン」等のアニメーターとしても有名な大塚先生と貞本先生の雑談をお楽しみください。

録音:中山(本CD-ROM画集 制作)






  6月19日金曜日、CD-ROM発売日の夕方、ビール片手に雑談が始まる。できたばかりのCD-ROM画集を前にして。


◆ジープをまとめて、それをエンタテインメントにしていくっていうのは、マニアの仕事ですよね(大塚)


貞本:今回、画集がいつのまにかジープ集になっちゃったのは何故ですか?昔のアニメは集めにくかったんですか。

大塚:いや、始めから「ジープのCD-ROM出したい」って武田さんおっしゃっていてね(「武田さん」というのは、統括本部長の武田さんのこと。本CD-ROMのエグゼクティブ・プロデューサーである)。

貞本:あっ、そうなんですか。最初からそういう企画だったんですか?

大塚:そう、最初からジープなんですよ。ルパンを入れたり、ジープのイラストを選んでいったのは、この中山さんなんですけど(と、録音作業しながらビールを飲んでいた中山がやり玉にあがる。「イラストを選んだ」と大塚先生はおっしゃっていますが、イラストは全部収録しております)。最初は高橋さんっていう人が担当したんですよ。でも1年くらいイラストを持っていて、にっちもさっちもいかないんで。そのうち辞めちゃってね(実は前の担当、高橋が病気で休職してストップした)。で、やっぱり無理だなぁと思ったんですよ。ジープをまとめて、それをエンタテインメントにしていくっていうのは、マニアの仕事ですよね。

貞本:でもコレ、一生モンっていうか、みんな。

大塚:そうですね。女性の中山さんがここまでまとめたって、ビックリしているんですよ。はじめてですよ、こんなことが出来た人っていうのは。しかも、ルパン入れたり、切り口も僕が思っていたより面白くなっていて。で、僕同人誌だしているじゃないですか(「MVJ」のこと。日本で唯一の軍用車輌専門誌である)。全国で600人くらいのマニアが見ている訳で。その連中からも「まとめて画集だせ」って言われたんですよ。だけど、出そうったって、どう切っていいものなのか。ジープの画集といっても、それだけじゃ様にならないし。それも漫画あり、表紙あり、いろいろですからね。きれいに整理して、いくつかのチャプターにして、レストアを入れたり、米軍の教育フィルムを入れたり、いろいろ入れて、彼女がまとめたんですよ。

貞本:究極のジープ集になっているって聞いたけれど。

大塚:うーん。ジープの好きな人はいいけど、どのくらいジープの好きな人はいるのか・・。宣伝も、頑張って力を入れてらっしゃるようだけど。いまジープは、ちょうどタイミングのいい時期です。昨日「NAVI」から連絡があって、記事書いてくれって。ちょうど三菱ジープがなくなるんですよ。

貞本:国の政策ですよね。ディーゼル関係の。

大塚:ええ、そうです。だからジープそのものが、もうなくなっちゃうんですよ。っていうよりは、歴史のかなたへ入っていく訳ですけど。ジープくらい好かれた小型自動車っていうのも、めずらしいですから。

貞本:車検通らなくなるっていう話は、どうなっちゃったんですか?

大塚:それは大丈夫です。規制緩和でね。

貞本:いらんとこ規制しますよね。

大塚:僕のバンタムなんか、ブレーキ踏んでもなかなか停まらないんで。キューベルワーゲンみたいなんですよ。だから、まえに車間距離とらないと危ない。

貞本:停まらない(笑)。

大塚:びゅーーーーーーうぅん、停まった(笑)。マイティマイトはいいですよね。

貞本:ドラムブレーキですか?あれは。

大塚:ドラムブレーキ。マイティマイトはキビキビしていて。だから彼女たち(本CD-ROMに収録のムービーを撮影したスタッフのこと)を乗せて、ヤブのような草むらの中を走りまわったんですよ。ほんと、しなやかに走る。四輪駆動の性能だけでいえば、やっぱりジープはいまだにいいんですよ。

貞本:でしょうね。軽いし。

大塚:そう。使いやすさとか、女性でも扱えるとか、全天候性とか、最高速度とかいうと、これは全部減点ですけど。オフロードにいって走り回ったとき、どんなところでも走り回れる頑丈さっていうのは、やっぱりね。民生用よりも軍用のほうがいいですね。

貞本:あれ、SUEZEN君(インタビュー後の打ち上げに参加していただきました。実はこのインタビューの時にガイナックスへいらしていて、貞本先生のお部屋で待っていらっしゃったらしい)のJ3改造のヤツに初めて乗せてもらって、コーナーでヒューって普通のクルマみたいにカーブ切ったら、こうなって(と身振り)内輪浮いちゃって、すーごいコワい思いしたけど。「だめだよ、もっとスピード落とさなきゃ」って(笑)。

大塚:そうですよ。あれ四輪駆動にいれていると、もっとコワいですよ。思うように・・。

貞本:曲がらない(笑)。ブレーキング現象でしたっけ?何か、ロックしちゃうんですよね。四輪が。

大塚:そう。だから時代遅れもいいとこなんだけれど、カタチがね。やっぱりカタチをみんな面白がって。

貞本:そうですね。

 


◆今の自動車っていうのは、本当によくなっているんだけど、愛せないっていうか。好きで乗るとなるとやっぱり。多少ヘンじゃないと。(大塚)


大塚:で、あなたはいま何?まだ、パンダ(フィアット・パンダのこと。フィアット500の後継車)に乗っているの?

貞本:いや、僕はシトロエンのエグザンティア。

大塚:ヘ〜エ!

貞本:ちょっと出世しちゃって(笑)。あと、エラン買いました。

大塚:ホント。ワンランク上がったな(笑)。

貞本:ロータスのエランSr.1(シリーズ・ワン)っていう初期型を買って。

大塚:向こう(愛知)で乗っているの。

貞本:ええ、東京に持ってきて。何回か壊れて、大変でしたけど。

大塚:イギリス車は、壊れるからね。

貞本:ええ、今月はエグザンティアで来ているけど。結構乗り心地はいいんだけど、やっぱり走り屋っていうか。友達は、東京の方が多いじゃないですか。ちょっと夜中に「奥多摩行こうぜ」となったら、エグザンティアで行っても面白くないんで。だからミニか何か、いま欲しいなと思って。

大塚:ミニは奥多摩あたり辛くないかな。

貞本:いや、もう100馬力くらいにチューンして。日本の峠って狭いじゃないですか。デカいクルマは駄目なんですよ。だから一回エランを東京に持ってきたら、面白かったんで。でも、高速道路の移動が耐えられないんですよ。シートがペッタンコだし。乗り心地はめちゃくちゃ硬くて、サスペンション入っていないような乗り心地だし、うるさいし。耳鳴りがしちゃって。

大塚:こんど宮さん(宮崎駿さん)は、新しいジムニーを買うの。

貞本:あれっ、三輪車(スリーホイーラーのこと。前輪2輪、後輪1輪でエンジンがむき出しになっているという変わったクルマ)の方は?

大塚:三輪車は三輪車で乗っているんだけど、あれは乗るもんじゃないでしょ(笑)。ときどき乗っている程度で。普段は宮さん、アウディのクワトロに乗っている。で、三輪車にもたまに乗って。信州におやじさんの別荘があるんで、別荘をちょっと拡大して皆が泊まれるようにして、そこにジムニーを置いて廃道を走るそうです。

貞本:おもいっきり環境破壊ですね(笑)。

大塚:環境破壊(笑)。僕はジープで何回か廃道を走ったけれど、時々こんな石があったりして(と身振りで示す)。いろんな装備がいるぞ、これはって。

貞本:大塚さんは、マイティマイトと、あと初期型のバンタムと。いま、その2台ですか?

大塚:ええ、それだけですね。

貞本:普段の足は?

大塚:普段の足は、天気がいいとモトラなんで。天気が悪いと、フォードのフィエスティバっていうのに乗っています。

貞本:フィエスティバ。えらく昔のヤツですね。

大塚:いやいや、今のヤツ。ツーボックスで、後ろがこうなっている。最近流行っているじゃないですか。乗用車みたいに後ろがこうなっているヤツ。

貞本:フィエスティバっていうとマツダでもちょっと前に出した・・。何という名前だったか、マツダは・・。フェスティバだ。

大塚:そう、フェスティバ。フィエスタとまったく同じ。

貞本:あれはフィエスティバっていう名前で出ているんですか。フォード版のほうは?

大塚:ええ。今の自動車はいいですから。今の国産車は申し分ない。

貞本:韓国版のフィエスタに乗ったことがありますけれどね。窓ガラスを開けようと思ったら、いきなりボキッっと折れちゃって(笑)。

大塚:韓国の自動車はいろいろありますから、語ればキリがない(笑)。あれじゃ自動車売れなくて経済悪いっていうのわかりますよ。

貞本:これを輸出しているのかよって思って。

大塚:質がちょっと悪すぎる。電気系統が悪いんですよ。電気系統っていうのは神経質の固まりみたいなものですから。作る人が相当細かくないと。

貞本:大塚さんも乗ってらっしゃったGS1220ってありますよね、シトロエンの。ドンガラを3台もっている人がいて。それを「レストアしないか」とかいわれて。

大塚:やめたほうがいい。大変ですよ。

貞本:大変ですかね、やっぱり。

大塚:レストアは大変。

貞本:200万くらいあったらレストアできるっていってますけれどね。

大塚:どうかなぁ。

貞本:どれもこれも一応エンジンは動くっていっていましたけれど。

大塚:あっ、そうですか。でも、レストアでいちばん大変なのはボディなんだよね。

貞本:で、ちょっとサビがあるんで、ボディレストアに100万くらいかかるかな、と。

大塚:僕がシトロエン乗っていた頃は、もうメチャクチャですよ。ブレーキパッドのワーニングライトがすぐ点灯するんですよ。減りもしないのに、いつも点灯しっぱなし(笑)。そんなのばっかりで、故障も多かったし。

貞本:1220のパラスって乗ったことあるんですか。

大塚:パラスも試乗したことはありますね。

貞本:高校に入った時に、多摩美大に行ってた先輩がパラスに乗ってて。で、その先輩が東京から山口県の徳山に乗って帰ってくる訳ですよ。カッコいいなと思って。

大塚:カッコいいですね。本当に。

貞本:そういう印象があって、いまだにちょっと乗りたいな、と。いま畑にドンガラ(「がらんどう」という意味。エンジン・シート等がなくなり、殻の状態になった廃車をさす言葉)が3台あるから。

大塚:ドンガラが3台も!それ徳山のほう?

貞本:いや、それは岐阜ですが。僕のエグザンティアを売ってくれたディーラーの人なんですけれど、瀬戸の家に30台シトロエンが、畑にズラーと並べてあって。GSが好きなんだっていったら、「3台あるからレストアするんならあげる」って。

大塚:30台!いや、そうですか。

貞本:「レストアしましょう!」とかいって。この人も、ただ見たいだけなんでしょうけれど。

大塚:うーん。板金で、まず出来やしないですよ、なかなかね。いい板金屋がないんで。

貞本:大変ですかね、板金は。どうしようかな。パーツも、一応ディーラー屋さんなんで、フランスからパーツ入るよって。

大塚:GSは凄いスピードで走るから。サスペンションがフワーとしてて。

貞本:前、GSの新型のBXっていうヤツに乗ってみたんですよ。パンダの後に。パンダがもう壊れて、しょうがないんで。

大塚:(笑)壊れてしょうがないから。

貞本:壊れてしょうがないし、カミさんが妊娠しちゃったんで。乗り心地がガタガタするじゃないですか。だから、もうちょっと乗り心地のいいヤツというんで、BXを買って。またBXが、輪をかけて壊れるんで(笑)。いや、こんな毎年湯水のごとくお金がかかったらしょうがないな、と。で、エグザンティアを買ったんだけど。

大塚:僕は、最近魅力的なクルマがなくなってね。トラックが好きになっているから。

貞本:トラック!また(笑)元の木阿弥というか。

大塚:元の木阿弥というか、先祖帰りというか。

貞本:新しいウニモグとか、どうなんですかね。新世代の。

大塚:僕は4年前にウニモグを2台輸入したことがあります。ニュージーランド陸軍から出た軍用払下げのヤツ。100台くらい並んでいる中から、いいヤツ2台選んで、買ってきて。神戸の人と福岡の人に、全部そのまま儲けなしで譲りました。

貞本:街乗りに使っているんですか?

大塚:ええ、街乗りに使っています。

貞本:はぁー。でも横幅がスゴいですよね。

大塚:横幅はすごいですけど、あんないい「ジープ」はないですね。とんでもないです。

貞本:徳山の消防局に1台ありますけれどね。旧型のウニモグが。丸いやつ。

大塚:このぐらいの段差登りますよ(と、身振りで腰のあたりの高さを示す)。ガーと上がってしまって。

貞本:へー、すごい。

大塚:そんなにエンジンをブン回さないで上がってしまう。

貞本:実家の義父がバモスホンダっていうの持っていますけどね。

大塚:あー、あれもいいですね。ああいう、ちょっとミリタリーっぽい、実用主義でまとめたっていうのはいいですよね。

貞本:家族を4人乗っけて、こう。

大塚:今の自動車っていうのは、本当によくなっているんだけど、愛せないっていうか。困っているんですよ。日常の足で使う分にはいいんですけど、好きで乗るとなるとやっぱり。多少ヘンじゃないと。

貞本:(しみじみと)ジープもいいなあ。長距離とかは行くんですか、これで。

大塚:いや、全然。長距離になったらフィエスティバに乗ります。最近は年齢のせいもあってね。今度の日曜日に京都に行くんですけど、仕事で行ってもほとんど新幹線か飛行機で。名古屋まで行くっていっても、クルマでは辛いですよ。

貞本:僕は毎月エグザンティアで東京に来ているんで。今日、朝着いたんですよ。

大塚:若いからですよ。50代になったらメンドくさくなっちゃって。新幹線なら、新聞読んで昼寝しながら行けるから。

貞本:僕は駅が耐えられない。人込みが嫌なんですよ。駅で待たされている、この時間がもったいないって思っちゃうんですよね。

大塚:それはあるでしょうね。でも、そこを乗り切ると楽なんですよ。

貞本:そうですか・・。クルマで移動するのは、もう慣れちゃって。音楽聴きながら、あっという間に4時間くらいで東京に着いちゃうんで。4時間くらいなら疲れないな、と思って。パンダ時代は、この4時間が倍の8時間くらいに感じましたけどね(笑)。

大塚:パンダ(笑)。イタリア人は、やっぱり基本的にパワーあるんでしょうね。あんなもの乗って、1日中走って。

貞本:でも、いま思うといいですけどね。あのハンモックシートとか。また欲しいな、と思うくらい。だからアニメーターの友達に売りつけてですね。そいつも、パンダに乗っていたんですけれど、半年くらいで、ぶつけて壊しちゃって。で、スズキの何だったけなぁ、四駆のちょっとでっかいヤツ。

大塚:エスクード。

貞本:あっ、エスクードだ。あのエスクードに乗り換えて、半年くらいで「ダメだ、こんなんじゃダメだ」って、また新型のパンダに乗り換えて。で、いまパンダカップ(レース)にでていますよ。

貞本:いま、スクーターにも凝っていて。いま、環八の古いスクーター屋さんに出入りしているんですけれど。そこでは、いつも店長が打って直してますけれど。

大塚:まだ乗っているの?

貞本:ええ。あの、ランブレッタってヤツ。

大塚:あっ、ランブレッタ。

貞本:イノチェンティーの。

大塚:わー、変なの乗ってる。

貞本:ちょっと今風に改造してあるから、最近のスクーターですかってよく言われるんだけど「いや、これはもう30年くらい前のスクーターなんですよ」とか言って。

大塚:すごいなあ。ランブレッタですか。名前がいいですね。

貞本:なかなかいいですけどね。いま乗っても、最近のスクーターより速いし、面白いしカッコいいし。

大塚:音は大きいでしょ。

貞本:音はそうですね、パンッパンッパンッと、いまボアアップして220ccになっているかな。

大塚:面白いなあ。

貞本:面白いですね。ちょっとベスパも前乗っていたんだけど、ちっちゃいんで。大きいベスパいま欲しいな、と。ちょっとお金貯めて。大きいベスパも、もう一台欲しい。

大塚:今は、ベスパも買いやすいでしょ?いや、昔のだと、ちょっと難しいか。

貞本:レストアして乗ろうかと思って、ちょっといま素材探しているんですけれど。で、足に使いたいんで、古いGSっていうヤツがあるんですよ、ベスパの。昔のヤツ買うと、きれいにレストアすると乗りたくなくなるじゃないですか(笑)。サビるとかいって。それは嫌なんで。中途半端に古い、70年代くらいのヤツを安く買って、それでギンギンにいじって。今風にディスクブレーキに改造したりとかして。昔のオートバイを今風に改造して乗るっていうのが新しいかなっていう。ショップの客でも、僕くらいしかいないですよ、そういうのは(笑)。そこのショップの人も、最近のレースに交じって、スクーターでレースに出ていましたよ。ドン尻のほう(笑)。

大塚:いやー、相当好きだね。

 


◆とにかくトヨタ、日産が嫌いなんですよ。(大塚)
めずらしいですね。トヨタが嫌いな人は日産が好きで、日産が嫌いな人はトヨタが嫌い。(貞本)



大塚:庵野さんなんかは、趣味は何なの?

貞本:趣味ですか?そうですね・・いわゆるレーザーディスク収集かな。もう大人の趣味。

大塚:クルマはダメなの?

貞本:クルマは全然ダメですね。ガイナックスでは、クルマ好き一人もいなくなっちゃって。

中山:ジャガーとか乗っている人はいますけど。

貞本:新型のジャガー、ベンツ、ポルシェに乗る人は、クルマ好きというよりはブランド好きの方が多いから。

大塚:ブランド好きの人だね、ほんと。僕もベンツ、BM、ジャガー、昔だとフォルクスワーゲンに乗る人はブランド好きだと思うんですよ。

貞本:クルマ好きは、ちょっとまたいじゃいますよね。まず、エアコンつきのクルマに乗っちゃダメ(笑)。でも、本音はエアコンつけたいなって(笑)ちょっと思いますけどね。

大塚:この年齢になると、ほんとに大変ですよ。

貞本:好き者じゃないと。

大塚:好き者じゃないと。

貞本:維持できない・・大変ですよね。

大塚:よく故障するしな。

貞本:フィアット500を持っていたっていうのは、大塚さん結構有名なんですけど、その後っていうのは・・。その前とか(宮崎駿さんの発案により作画監督である大塚先生の愛車フィアット500がルパンに登場したことは有名な話です)。

大塚:とりあえず500を2台乗って、その後、フィアット850スペシチアーレ。

貞本:ちょっとクーペっぽい感じ。

大塚:そうです。ちょっとあれに似ているんですよ。ダイハツが出した軽で・・何ていったかなァ。

貞本:あー、ありましたね。フェローかな?

大塚:うん、それに似ているんですよ。850スペシチアーレに乗って。それから、シトロエンGS。

貞本:僕が欲しいっていっていたヤツですよね。それはクラブですか、パラスですか、どっちですか。

大塚:それはクラブのほう。それから、ちょっとの間パラスに乗って。その後フィアット128っていうのに乗っていた。

貞本:128か。あー、わかります。

大塚:弁当箱みたいなヤツ。あれに乗りましてね。それも結局トラブルだらけなんですよ。年中トラブっているわけ。

貞本:当時、壊れたらパーツとか手に入ったんですか?今でも壊れたら、だいたい一月待ちは当たり前じゃないですか。

大塚:あの頃は2、3ヶ月待ちで。値段も高いんで。僕はイタリアに友達を作ってね。「クアトロ」っていう雑誌あるでしょ。あの広告で知り合って。お金送って、割に安く仕入れたけれど。それから心機一転しまして、ジェミニに乗り換えたんですよ。

貞本:あっ、その間は全然ないんですか?ジェミニって、わりと最近のことかと思っていたけれど、そうでもないんですね。

大塚:ジェミニに乗って、それもやめてブラブラ。ジープだけになったり、それを売ったりしていた。前はいろいろあったんですけど。コンテッサ900とか。1300とか。とにかくトヨタ、日産が嫌いなんですよ。

貞本:トヨタ、日産が嫌い(笑)。めずらしいですね。トヨタが嫌いな人は日産が好きで、日産が嫌いな人はトヨタが嫌い。

大塚:いや、トヨタ、日産っていうのが嫌。で、今はホンダも嫌なんですよ。

貞本:ホンダも嫌ですか(笑)。

大塚:うん。多いのが嫌なんですよ。前に一度、東名を走っていたら、パトカーが後ろから来て「そこの白いクルマ停まりなさい」って、そしたら10台くらい停まるんだよね(笑)。多いから白いクルマは嫌い(笑)。パトカーも「そこのシトロエン停まりなさい」っていえばいいのに。東名のパトカーの警官なら、そのくらい知ってて欲しい。

貞本:スカイラインとか乗ったことはあるんですよね。

大塚:うん。乗ったことはあります。

貞本:で、あんまりいいとは思わなかった?

大塚:いいとは思わなかった。速いとか、カーブとかはいいと思ったことがあるんですけど。僕は速いとか、強力とかじゃなくてね。

貞本:じゃあ、スバルやいすゞはどうですか?ベレットとか。

大塚:うんうん、乗ったことはある。ベレットは、人のクルマを大破してね。

貞本:あぁ、それは有名な話ですね(その借りをかえすために、アルバイトで「ワンダー3」のオープニングをやられたのは有名な話)。スバルの1000とかは、結構マニアックな感じで。大塚さん、好きそうだけど。

大塚:スバルの1000は最初よかったな。ただ、大変な音でね。

貞本:水平対向の。

大塚:変な音でしたね、スバル1000は。だからスバルなんかは好きなんですよ。どっちかっていうと、設計思想で好きになる部分が多い。

貞本:そうですね。もともと飛行機屋さんで、何か変なことやりますよね、スバルは。

大塚:そうそう。だから、トヨタ、日産、ホンダが嫌っていうのは、多いから嫌なだけなんですよ。多いのはダメ。

貞本:多いから(笑)。いま目立つクルマに乗っているからわかるんだけど。目立つクルマに乗ったら、どこに行っても「あそこにいたでしょ」「ここにいたでしょ」って言われません?悪いことはできないですよ(笑)。

大塚:だからジープなんか乗れないですよ、最近。とにかく子供が反応するんで。信号なんかで停まっていると「わー、カッコいい!」。で、その次に「変なオジさん」って(笑)。顔が丸出しになっているでしょ。それで、皆こっち見ているんですよ。美人の人って街歩いてて、ああいう気分になるんじゃないかね。皆こっちを見てるっていう。気の毒ですね(笑)。皆こっちを見てるって嫌ですね。

貞本:でも、美人の場合はうれしいんじゃないですか。「あっ、見られてる」って。

大塚:でも疲れるでしょうね。それに対応して。

貞本:子供がみてるから疲れる訳で(笑)。かわいいおネエさんがみてくれるとうれしい。

大塚:(笑)いや、いくら美人でも、毎日視線がずっと自分の方へ来ているっていうのは、僕は嫌ですね。「こっちを見るな!」って(笑)。それじゃ、そんな変なクルマ乗るなよ、って話になっちゃうよね。

中山:でも「マイティマイトは目立たない」っておっしゃっていたじゃないですか(笑)

貞本:目立つと思うよ、やっぱり(笑)。カラダが全部でているもん。

大塚:マイティマイトは、見た人が「何、それ?」って思っちゃうの。ガソリンスタンドに行くと「それ、何ですか?」(笑)。昔、フィアット500でスタンドに行くと、判定力のない人がいる訳。スバルだと思うんですよ。料金所の人が、ナンバープレートもみないで「はい、軽だ」って。そういう審美眼のないっていうの?子供は、はるかに高い審美眼を持っているんですよ。スバルとフィアット500の違いなんか、たちまち見分けるんですけど。そういう感覚のないオジさんとかオバさんとかがいっぱいいて・・。

貞本:僕、山口に住んでいた時に、ポルシェなんか、そうめったにないじゃないですか、近所に。で、学校にいったら、「ポルシェが停まっていた。まだ停まっている」っていうから「どこに停まってたんだ」って聞くと「となりの街のあそこに停まっている」っていうんで、全然帰る方向は違っていたけれど、一回家に帰って、自転車に乗って見にいったら、フォルクスワーゲンですよ(笑)。「違うじゃない」と。

大塚:田舎いくとね。僕もフィアット500で九州一周やったんです。田舎のレストランに停まって、中で飯を食っていたら、クルマに人がたかっているんですよ。5、6人。地元のカーキチが。僕が飯食い終わって出ていったら、皆たかっているから、入りにくい。で、しょうがないから外側で聞いていたら、そのなかの中心らしき人が「このミニクーペは・・」って(笑)。「ミニクーペ」そのものが間違っているでしょ。

貞本:クーパーと間違って(笑)。

大塚:クーパーと言えばいいのに、「ミニクーペは凄いんだよー」って、二重に間違えて。それで解説しているし、聞いているほうも「うん、うん」「これいいな」「これ小さいな」と言っていて。自分でドア開けて中へ入り込むチャンスがないんですよね。また食堂へ帰って、連中が散るのを待って(笑)。

貞本:あの足跡マークつけているバージョンのほうでしたっけ?(大塚先生はフィアット500の車体に足跡マークをペタペタとつけていました。だから目立つのだと思います)阿蘇での写真、見せてもらったことがあります。

中山:あれで九州回ったんですか?

大塚:足跡つけて回ったんですよ。九州一周するっていうんで、あれ(足跡マークのついたフィアット500)で行ったんですよ。

貞本:あれはいいですね。フィアット500をちょっと欲しくなります。

大塚:あの時は助手席を外していたんですよ。

貞本:簡単に外れますよね。パンダも簡単に外れちゃう。

大塚:助手席も後部席も外してね。荷物置いて、一人しか乗らなくて良いと。そしたら、大分の辺りでヒッチハイクに会っちゃったんですよ。結構ガタイの大きい男で、運動選手か何か。こうやってヒッチハイクしているから(と身振り)「どこまで行くんだ?」っていったら「阿蘇のほうへ行くんだ」「じゃあ、俺も阿蘇に行くから連れてってやる」って。そして阿蘇にいったら・・。

貞本:椅子がないのに、どこに?(笑)。

大塚:後ろにペタッと座っているんですよ(笑)。それで、阿蘇に着いて降りるのかと思ったら、降りない。で「五木のほうへ行くんだ」っていったら、「僕も五木に行くんです」って(笑)。「鹿児島に行くんだ」っていったら、彼も「鹿児島」っていうんです。で、その間全部その男に民宿の手配をさせる訳。「あのお寺へ行って、一泊幾らか聞いてこい」っていうと、行くんですよ(笑)。

貞本:手なずけるのが上手いですね、あいかわらず(笑)。

大塚:で、ずーと乗っている間、そいつはすごいルパンファンだったことがわかって。ルパンが好きで、どうのこうで、と。「ルパンの作画監督だ」なんて言ったら大変ですから(笑)。幸い今みたいに情報がないから、顔を知らない。「おたくは何の仕事?」「いや、ちょっと土建関係をやっているから」って。

貞本:土建関係(笑)。(大塚先生は、昔山口の県庁の土木課に居られた)

大塚:「いやー、僕はアニメが好きでね」って。これはヤバいなと思って、言わないわけ。いったら最後、やれサインしろだの、何をせがまれるかわからないからさ。「あ、そうですか。東京へ帰ったら、セル売っているところとか世話してもらえませんかね」「いやー、僕そういうのわからないから」って。そんなもの、言ったら送らなきゃいけないから、ずっと言わないで。で、天草のほうを回って福岡の方まで、結局ずっとその人はついてきたんですよ。僕は、その体格の良い人をこき使ったんですよ。「金がない」っていうから。

貞本:いいですね。そういうヒッピーみたいなのが、昔はいっぱいいたんだなー。いま見かけないですね。みんな小奇麗になっちゃって。

大塚:うん、最近はスピードの時代だから。そういうバカな人いないくなったから。

 


◆最近の若い人が、でっかいクルマに憧れなくなったっていうのは、子供の時の刷り込みなんですかね。(貞本)


貞本:ラテン系とイギリス系のクルマの違いっていうのは?外車だったらドイツもあるし、イギリスとかもあるじゃないですか。そっちの方にいかなかったのは、何でなんですか。

大塚:それはわからないですよ。よくいわれるんですけれど、例えばMGとか、イギリスっていうのはちょっと変な国なんですよね。デザイン的には、ちょっとヨーロッパ本土と違うんですよ。

貞本:そうですね。ちょっと貴族趣味。

大塚:ドイツは堅いっていうか、真面目っていうか、どうも全然僕の趣味とは合わない。イタリアっていうのは、ちょっとおっちょこちょいなところが、ちょっといい加減なところが、なんとなくあうんです。イギリスとか。僕は今でもヨーロッパって羨ましいと思っているんですよ。イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなんていうのは、お互い近い国であるのに、俺たちは俺たちだっていうアイデンティティを出すために、いちいちかえるでしょ。逆らうわけですよ。同じなのが嫌なんですね。そのために、イギリスには実に変な自動車ができてしまう。最近は流体力学でコンピュータでやっているから、みんな似るけど、昔のイギリスは軍用車なんかでも、実に変なんですよ。アメリカは、ジープは面白いけれど、50年代の乗用車はどうしようもない、大きすぎるし。ところが最近のネオンなんて、「何だ、アメリカらしいのを作れよ、マネするなよ、オマエ」って感じで(笑)。50年代の自動車は、変なのがいっぱいあってよかったです。

貞本:近くのモーターズの社長が、・・何だっけな、バラクーダってヤツに乗ったのかな。子供の頃だったから、横に寝れるんですよ。手を伸ばしても、まだむこうにつかない。すっごい大きいな、と思ってちょっと憧れましたね。

大塚:バラクーダは面白いですね。

貞本:当時のでっかいクルマに対する子供のあこがれっていうのは、何で無くなっちゃったんだろう(笑)って思います。

大塚:「ブリッド」っていう映画で、ダッジのチャージャーとムスタングで、追いかけっこするようなシーンがあって。あのチャージャーに乗ったことがあるんだけど、アクセルを軽く踏んだだけで、猛烈なホィール・スピンして出ていくんですよ。すっごいなぁ、と思って。

貞本:最近の若い人が、でっかいクルマに憧れなくなったっていうのは、子供の時の刷り込みなんですかね。いま、大人のクルマ好きは、スーパーカー・ブームの時、子供だった人じゃないですか。まあ、アメ車がないですよね。

大塚:ないですね。子供の頃から超過密で育ってて、地平線の向こうに何もない、みたいな風景をみなくなった。どこの国もね。アメリカも過密になっていますから。フェニックスみたいな砂漠の中の街でも、すごい渋滞してますし。やっぱりマーケット行くだけ、とか用途があって、機能がまた重視されているんじゃないですか。それから、第一次、二次、三次とガソリンの高騰で、みんなケチになっているんじゃないですか。僕は21世紀の終わりには、もう自動車はないと思っているから。無理だと思うんですよ。このままガソリン消費して、地球を汚して。もしあれば電気自動車になっていて。後で1世紀くらい経ってから振り返ると、20世紀っていうのは自動車が全世界にあふれた時代でした、と。21世紀の我々は、オフィスにいかなくても、全部家でコンピュータの端末で仕事ができて、時々集まりゃいいみたいな。

貞本:逆に、こういった趣味のスポーツカーとか趣味のクルマだけが生き残って。

大塚:そうそう、趣味のクルマだけは生き残りますね。TOYとしてね。だんだん寂しくなっちゃうね。一番僕がさみしいのは、似てることですよ、みんな。アメ車もフランス車もBMもトヨタも、みんな似ていくのが嫌なんですよ。変なの作れよって(笑)。

貞本:ホンダがいまバモスの新型を開発しているらしいんだけど、たぶんダメだろうなっと思って。

大塚:ホンダは、やれそうな気風をもった会社だけどね。

貞本:何か最近、みんなトヨタの真似をしているような感じがして。ワンボックスばっかり作っていますよね。家族クルマっていうんですか。

大塚:家族クルマばっかりで。どうして、ああ似ちゃうんだろうね。

貞本:F1作っている会社が、あんなクルマばかり作っちゃいかん、とか思ったりして。

大塚:最近、ダイハツが変なの作ったでしょ。てんとう虫みたいな。

貞本:ダイハツ。あー、ちょっとバモスっぽい。スペア・タイヤが前についているミゼットU。

大塚:そう。はじめ一人乗りで。宅配便なんかで使うヤツ。いまは2人乗りになったんですけど。あれなんか欲しくてしょうがなかった。あれが欲しい、あれがいいって。

貞本:(笑)一人乗り、いいかもしれない。メッサーとかどうですかね。縦二人乗りの。

大塚:いや、メッサーは、今日CD-ROM画集の打ち上げに来る小泉君っていう人が持っていますけど。ルパンの中に、たった一回でてくるでしょ。それが好きでメッサー買ったっていう。

貞本:パイカルの回(第1シリーズ第2話『魔術師と呼ばれた男』)でしたっけ。

大塚:そう、パイカル。

貞本:いまだにフリーマーケットなんかには、行くんですか?あのアメリカの。

大塚:だんだん行かなくなりましたけどね。

貞本:新品パーツとか、まだでるんですか。

大塚:ああ、でます。50年たっても新品パーツがでます。だんだんリプロ(reproductionのこと)増えたけど、それでもまだでますね。

貞本:まだでるんですか。すごいなぁ。フィアット系、ラテン系のクルマすごく好きなんですけど、パーツに困るじゃないですか。だから、いまイギリス車にいっちゃって。イギリス人は、物持ちがいいんですよ。

大塚:ヨーロッパ人は大体物持ちはいいですね。

貞本:そのエランっていうのが36年前のクルマなんだけど、全部新品パーツがでてくる。もうフレームから、ボディから全部新品で組み上げました。イタリアは、町工場が昔のパーツ持っているらしいんですけどね。だから、言葉さえ出来れば、向こうにいって個人輸入できるんだろうけど。

大塚:パーツは、やっぱりアメリカが一番すごいですよ。50年、60年平気で出てきますから。それだけ置き場所があるんでしょうね。

貞本:B.B.Mっていうフィアット500を扱っている会社の店長が、イタリアの南のほうに行くと良いフィアット500があるんだけど、ちょっと仕入れようとすると、すぐマフィアが間に入ってきて、大変だって。治安の良い北の方にいくと、もう良いものが残っていない。南の貧乏なところにいかないと。

大塚:貧乏だから残っているんですかね。

貞本:北の方はあんまり残っていないとかいってましたね。

大塚:自動車の時代もほんとに、じきに終わるんじゃないかと思うんですよ。人口12億の中国がマイカー時代に突入して、一人一台ずつ持ったら。排気ガスで地球はもうダメだろうね。

貞本:夜中に東名を走ると、あのトラックの黒いススは何とかならないかなって思いますけどね。

大塚:恐いね。トラックが飛ばして、真後ろに来てると。

貞本:130くらいで走っていても、でっかいトラックが後ろから煽ってきますからね。「停まれるのか?そのスピードで走ってて」って。右側走っちゃいけないことにすればいいのに。

大塚:ガンガン煽ってきますから、ほんとに恐いですよ。だからジープ走れないです。60、70しかでないもので高速走ったら、ウァーとバックミラーの上で点が飛ぶように大きくなっちゃう。わー、恐いって。

中山:ビックリして避けてくれるんじゃないですか。

大塚:いや、やっぱり不注意な人いますから。

貞本:バモスで山口まで帰ったときに、あれは登りだと65キロくらいしかでないんです。全開でウーって踏んでても65キロくらいしかでなくて(笑)。

大塚:よく帰ったね。あれで。

貞本:恐かったですよー。途中、雨がどしゃ降りになっちゃって。で、途中でワイパーがカタンって(笑)。両側開いたまま止まっちゃって。スプラインが抜けちゃって。ガソリンスタンド入って、それを思いっきり締めこんで、何とか。もう走りながら、手を回して、こう(笑)ワイパー動かして。フラフラしながら。

大塚:僕も20代の終わりに、コンテッサの900で山口まで2回行ったしね。1300でも一回行ったし。

貞本:僕も毎年徳山まで帰っていますよ、シトロエンで。今年もエグザンティアで。

大塚:ああ、そう。えらいなあ。おたく、徳山のどの辺なの?街の中なの?
(貞本先生の家について説明)

大塚:あぁ、あの辺。じゃあ、まだ田園があるところですね。

貞本:今はそうでもないですね。クルマのディーラー屋さんが多いところで。子供のときから、夕方になると犬の散歩がてらディーラーを見てまわる。で、新型車が入ると、絶対に見にいく。

大塚:山陽道はトンネルばっかりでつまんないでしょ。僕も一度、神戸から山陽道ずっと通ってみたことあるけど。山の中ばっかり通ってますね。新幹線もそうですけれど、トンネルばっかり。

貞本:新幹線は、ずーとトンネル入って、トンネル抜けると、いきなり徳山のコンビナートがバーと。ちょっとカッコいいですけどね。

大塚:うん。毛利元就の生まれた辺りはトンネルの中ですけどね(笑)。トンネルの上のほうなんですよ。でも若いなー、元気があるなぁ。どんどん山口まで帰るっていうのは。

貞本:家族みんなで新幹線で帰るくらいなら、クルマの方がちょっと安いくらいで帰れちゃうんですよ。で、向こうにいっても足がある。向こうで、今までレンタカー借りていたんだけど、レンタカー代と新幹線代を計算すると、やっぱクルマで帰ったほうがはるかに安いな、と。

大塚:それははるかに安いですね。僕は、いま旅行すると、行った先でだいたいレンタカーです。

貞本:大塚さんは、いまは埼玉の実家が、もう地元になっちゃうんですね。

大塚:うん、味気ないけどね。あんなところが実家っていうのは。やっぱ、田舎のほうがいいですよね。

貞本:前にテレビで見てたんですが、「この辺にジープに乗っている・・?」って聞かれた近所のオバさんが「ああ、大塚先生ね!」とかいって(笑)。どっかの畑のオバちゃんが。やっぱ、かなり有名人だな、と思いました。

大塚:有名人?変なオジさんですけどね。

(以下、次回に続く・・。次回のホームページでの掲載は7月31日を予定しています。よろしく。)


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